はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

アウトドア派の階段橋

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5年前にスイスを訪問した際は、主にダムや橋を巡ったために、人里離れた山奥に行くことが多かった。そこでびっくりしたことは、トレッキングやサイクリングなどのアウトドアライフを楽しんでいる方々が、どこに行っても老若男女を問わずたくさんいたこと。

当方は基本的にインドア派なので、なんでこの人たちはこんなところをわざわざ歩いているのだろうか、なんて思っちゃう。まあこちらも個人的に興味を持った構造物を見に行くために、他の人に引かれるほどの労力をかけてしまうので、人のことは言えないよな。これってポケモンGOにおけるレアポケモンを、わざわざ遠くまでゲットしに行く方々と同じ感覚だろうね。

ここのところ気になっているのは、構造や材料の面で特徴的な展望台や歩道橋が、ひとつの見どころとして捉えられているんじゃないかってこと。アルプスに限らず、北欧とか中国とかも含めて、世界的な潮流になってきた気がする。自然の風景の中で人工の構造物が単独で観光対象になることはないだろうけど、そのトレッキングコースの魅力を高めるアイテムとして機能させようとしているのであれば、そうした動きはしっかり押さえておきたい。

5年前はそこまで考えることなく、スイスの山奥に乗り込んでいった。たとえば、上の写真のユルグ・コンツェットが設計したTraversiner Stegという吊階段橋。そんなカテゴリーがあるかどうかは知らないが。駐車場から1時間近く歩いて、ようやくたどり着いた。まあ、Punt da Suransunsとセットで見に行ったので、やけに遠く感じただけかもしれないけどね。これはがんばって行って、本当によかった。よくこんな深い谷にこんなミニマルでハイテクな歩道橋を架けたなあと感激したよ。

そんなわけで、来週から東アルプス方面にレア歩道橋をゲットしに行ってくる。今回は覚悟を決めて、3時間半コースのガチなトレッキングを予定している。やはりコンツェットのミニマルな橋梁群を体験するために。そろそろ準備しなきゃね。