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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

穏やかな謎の国

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5年前のスイス訪問時にもリヒテンシュタイン公国へ行った。しかし、さらっと通過しただけであり、写真すら一枚も撮っていなかったので、もしかすると本当は行っていないんじゃないかなどと思うようになった。このため夏のアルプスドボクツアーでは、ちゃんと車を止めて何らかの写真を撮ることを大きな目的のひとつに掲げ、ついに実現することができた。上記写真は、首都ファドゥーツにある国会議事堂前の通りと広場。崖の上にチラリと見えるのは、リヒテンシュタイン家が暮らすファドゥーツ城。首都の目抜き通りはとても質感が高く、とても穏やかな印象だったな。

外務省によるデータによると、リヒテンシュタイン公国の国土面積は160km²、人口は3.7万人(2014年)とされている。日本の市区町村のデータ(国土地理院および各市区町村の統計資料)を参照してみると、茨城県かすみがうら市(面積:156.6km²、人口:4.2万(2015.9))、新潟県小千谷市(面積:155.2km²、人口:3.6万(2016.6))のスケール感に近いことがわかる。ちなみに神奈川県川崎市(面積:143.0km²、人口:148.9万(2016.9))と比較してしまうと、一気に現実感が無くなる。

この小さな国はどうやって維持されているのかが気になったので、やはり外務省のページを参照してみた。どうやら、国家機能のかなりの部分をスイスに「外注」しているらしいね。たとえば、国防、外交、通貨など。軍隊は1868年に解消して非武装中立政策をとっているし、1919年のハプスブルク帝国の崩壊時に領事業務の利益代表をスイスが行うことに合意しているし、1923年にスイスフランを導入している。主要産業は精密機械と医療機器と記載されているが、どうやらタックス・ヘイヴン(租税回避地)としての金融機能も担っているようだ。ここからの税収が多いためか、国民の直接税は「なし」とのこと。

まあ少し調べただけではよくわからないな。というか、ますます謎めいた国に思えてきた。もともとオーストリアの貴族だったのになんでスイスと仲良しなのかとか、スイスとの関係を保証する根拠ってなんなんだろうとか、スイスは国民皆兵だけどリヒテンシュタインはどうなんだろうかとか。それに、どうやらリヒテンシュタイン公は、現在もオーストリア国内にリヒテンシュタイン公国よりも大きな面積の土地を所有しているらしいし。機会があれば、また訪問したい。