はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

繊細なトラスが架かる街

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僕がドボク旅行を計画する際には、ぜひとも行きたいという大きなアンカーポイントを最初に設定し、それらを結ぶように周辺地域のサブコンテンツを探していくという方法を採っている。オーストリアのフェルトキルヒという街は、そんな中で経由地としてピックアップした街であり、ネット上の情報も少なかったために正直なところ全く期待していなかった。

いつものようにデータベースサイトのStructuraeをぐりぐり見ていたところ、Feldkirch Footbridge(Illsteg Feldkirch)の項にある一枚の写真がふと気になった。1989年につくられた支間長36m、幅員4mの小さな鋼トラス歩道橋だ。ちょうどルート上に乗りそうだったので、ふらりと立ち寄ることにした。これが大正解。実に軽快で繊細に組まれたトラス橋であり、うっとりしてしまうレベルの素晴らしい歩道橋だった。多くの人がナチュラルに使っているのが、またよかった。

旅行中に様々な場面でお世話になった友人にこの橋のことを報告したら、その直後に見に行ったとのこと。そして、イル川の氾濫時にはクレーンによってこの橋がリフトアップされ、河川阻害物にならないようにする事実を読み取ってくれた。いやもう、なにかとすごいな。軽量感は伊達ではなく、本気で軽量化を図った結果だったわけだ。

フェルトキルヒは他にもステキな土木構造物が複数ある上に、チラリと横目で見ただけでも中世の雰囲気が色濃く残っているステキな旧市街があった。また、街を貫流するイル川を含めた地形が、とても不思議なんだよね。機会があれば、ぜひ再訪したいな。