はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

リアルな山水画

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先週末は旭川を訪問した。11月上旬なのに、ひょっとすると根雪になるんじゃないかと思うほどの荒天に見舞われた。訪問者の身勝手な思いだけど、久々に真冬の北海道を疑似体験できて、懐かしさとうれしさがこみ上げてきた。

土曜日の午前中に用務が終わり、夕方の飛行機までの間はまち歩きでもしようかなあと思っていたら、ありがたいことに用務先の方が空港まで車で送ってくださることになった。しかも、忠別川を遡ってこの夏の豪雨被害の爪痕をチラ見するという行程で。

積雪によって生々しさは薄れていたけど、川ではない場所での大量の流木や、随所に出現していた仮橋などで、甚大な被害状況の一端を垣間見ることができた。また、こんな天気の休日にも関わらず復旧作業が行われている現場もあった。迅速な災害復旧の現実をうかがい知ることができて、ピリッと気が引き締まった気がする。

また、こんな日ならではの風景も目撃できた。天人峡の柱状節理の上に設置された落石防護網への着雪によって、なんだかよくわからない見事な山水画風の風景が展開していたのだ。彩度が極端に失われた上に、ネットの人工的な格子模様が見事なドレープを描いて絶壁を飾っていたのだ。いやほんと、ステキな風景っていつなんどき出会えるかわからないので、気が抜けないね。