はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

山の国の幸せな暮らし

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幸せの国・ブータン王国に行ってきた。中山間地域における集落の実測調査団に参加するという、僕にとってはとても珍しいパターンで。個人で観光旅行するにはそれなりにハードルが高く、なかなか思いつきで行ける国ではないので、このような機会はたいへんありがたかった。そして想像していた以上に、ブータンで目にする風景や文化や暮らしは自分にとってたいへん新鮮かつエキサイティングであり、極めて貴重な体験となった。

ヒマラヤ山脈南麓に位置しており、その面積は九州地方と同じくらい(およそ3万8千km²)、人口は福井県と同じくらい(およそ80万人)のようだが、資料によって異なるのでちょっとよくわからない。チベット仏教が大部分の人々の暮らしの基盤にあり、その伝統文化の継承が国策にも取り入れられている。産業の中心は農業であり、外貨の多くは水力発電によって獲得しているという。

GNP(国民総生産)はたいへん低い水準であり、比較的貧しい国と言える。経済に偏重した価値観にとらわれないGNH(国民総幸福量)という指標を標榜したことから、ブータンは「幸福の国」というイメージが定着した。近年ではこの政策にも変化が見られるようだけど。

実際に滞在中、道路、電力、ネットなどのインフラ施設の脆弱さに起因するトラブルめいたものが次々と降りかかってきて戸惑うことが多かったが、数日たつ内に慣れてきた。そして、近代科学技術にどっぷり浸っている僕の常識は、それほど常識的ではないことを思い知らされた。そして、ブータンの急速な近代化を残念がるというノスタルジー的視点のおこがましさを突きつけられた。

僕がブータンで得た驚きや感激は、現時点では全く言語化できていない。時間はかかると思うけど、じっくり咀嚼していきたい。せっかくの体験で得た感情が、日本での日常生活の中に溶けてなくならないうちに。