はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

あとからトンネル

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先日、打合せの最中に2011年の写真を遡っていたら、ドイツのアウトバーンで撮った写真が視界に入り、気にかかった。アーチ状のコンクリートの梁が、両側の壁からポコッと生えた出っ張りに載せられて、結構な延長にわたって連続して道路を横断している施工中の状況だ。あれ?この妙にかっこいい道路空間ってなんだっけ?となった。

もちろん当時も気になったから撮ったのだろうけど、通りすがりに流れ去った6年も前の気分を呼び戻すことなど、なかなかできない。場所もよく分からず途方に暮れつつも、あらためてGoogleマップや画像検索などをあれこれ試し、ようやく「Einhausung Lövenich」という施設であることを突き止めた。ちょっと時間をかけすぎたけど。

騒音対策を目的に、アウトバーン1がケルン西部の住宅地を抜ける区間に設置された「覆い」とのこと。もともとよくある土工区間だったところに、側壁と天蓋を構築して新たな「トンネル」に仕立て上げたようだ。ドイツにおけるGoogleストリートビューはプライバシーの問題で機能していないため、施工が着手したと思しき2008年という、ずいぶん前の状況しか出てこないことから確認できた。

えっ?騒音対策でこのスケールなの?ちょっと豪勢すぎやしないか??と思うよねえ。たしかに周辺は緑の覆い閑静な高級住宅地のようだけど。あらためて検索してみると、やはり問題になっていたらしい。必要以上の過剰な性能を求めて高くなりすぎた上に、その効果は低いんじゃないかという批判。まあ自動翻訳だから正確なところは分かりかねるけどね。

参考:Frankfurter Allgemeine “Der Lärm bleibt in der Röhre”
   RP ONLINE "Tunnel auf A1 : Lärmschutz für 200 Millionen ist ein Flop"