はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

発電のジレンマ

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昨日は今回の旅で唯一の晴れ間となる予報だったので、急遽レンタカーを借りて露天掘り褐炭採掘場を堪能してきた。特にガルツヴァイラー・タゲバウにあるデッキが空中に張り出した「スカイウォーク」は、『ヨーロッパのドボクを見に行こう』の執筆時に電力会社のRWEから提供していただいた写真でその存在を認識し、なくなる前に行かねばと思っていたのだ。拡張する掘削エリアとともに展望施設も更新されるので、全く気が抜けないね。

強風が吹き荒れる気温3度程度の展望台にもかかわらず、ひっきりなしに老若男女問わず多くの方々が訪れていた。いつもながらドイツ人の勉強熱心さには感服する。ニコンのフルサイズカメラと巨大望遠レンズを持っていたドイツ人夫妻に声をかけると、ドイツにおける発電の現状などについて明快に説明してくれた。環境に大きな負荷をかける褐炭火力発電の割合は相変わらずとても高いこと、すぐそこにある高速道路も数年後には掘削されて無くなること、近隣の集落も次々と無くなり住民は移住せざるを得ないこと、今日は近くにいなくて残念だけどバケットホイールエクスカベーターは本当にバカでかいこと、などなど。

彼らは全くクリーンではない発電システムを見下ろしながら、環境先進国と言われる祖国が抱える矛盾に苛立ちつつ、圧倒的なスケールの人工景観や巨大重機に感激していた。ドイツ人のモヤモヤした感情に触れることができて、とても有意義な時間になったな。