はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

江戸時代の水システム

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唐津湾に注ぎ込む松浦川の中流域に広がる水田地帯に、「桃の川水路」という地味ながらも素晴らしい利水施設がある。佐賀では知らない人がほとんどいないが、佐賀以外ではほとんど知られていない成富兵庫重安(なりどみひょうごしげやす)の手により、江戸時代初頭につくられた施設だ。この人は主に鍋島家の家臣として戦国時代に数々の武勲を上げ、40歳を越えてから治水・利水事業を手がけるようになり、神レベルの仕事をたくさん行ったという。

「桃川水路」は、上流の高い位置にある井出から取水し、松浦川の下を「馬頭(うまんかしら)」と呼ばれるサイフォンで立体交差させて、用水の確保が困難だった対岸の水田を潤している。つまり微妙な地形を読みきって、創意工夫を重ねて使える土地を増やしているわけだ。もちろん補修を繰り返して使っているのだろうから、完全なオリジナルというわけではないようだ。この馬頭の写真だけではなんともわかりにくいけど、システム全体を概観するとかなり感激できるよ。