はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

同い年のイケメン

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東京の水源地である奥多摩湖(小河内貯水池)に、とてもクールでメカニカルな橋が架かっている。その名は三頭橋(みとうばし)といい、なんと1969年生まれだという。いやあこんなスタイリッシュで現代的なイケメンが東京の最奥地にいただなんて、不覚にも知らなかったなあ。

国内初のバスケットハンドル型のニールセン橋ということだが、アーチの下端を結びつける部材がない。つまり、このフォルムでよくあるニールセンローゼ橋ではない。斜めに張られたケーブルは魅力的な造形の横梁に定着しており、桁には強い陰影が生まれている。グレーの塗装色も、モダン方向に効いているね。

ちょっと残念なのは、工夫のない橋台。わざわざ水平力を受け持っているんだよ、という力の流れが可視化されていると、橋の魅力が倍増したと思うな。それと、照明柱ではなくケーブル交差部に灯具を配置しているのはいいのだが、早いうちに小型軽量なLEDにしてもらえると、より素敵になりそう。それと、1993年の一斉修景時に設置されたという妙にクラシカルなプレートはいただけない。せっかくの橋門工のクールな造形が台無しだもんな。

それにしても、僕と同い年ってのは衝撃を受けた。僕はこのところ、以前にも増して身だしなみに気を使わなくなってきた気がするので、気持ちを引き締めなければと思ったな。実践するかはさておき。