はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

空飛ぶ橋

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これまでにも国内外のさまざまな可動橋を見てきたが、「ビスカヤ橋」を体験したことで、ようやくひとつの到達点にたどり着いた気分になっている。エッフェルの弟子であるアルベルト・パラシオにより設計された吊橋であり、1893年に完成した世界最古の「運搬橋」だ。随所に配置されている細いケーブルが、なんとも愛おしく感じるね。

まだまだ船舶の交通が優位だった時代に、ゴンドラを用いてどうにか陸上交通を成立させた意欲的な構造物なんだけど、その後の技術の発達により輸送の非効率さが露わになってしまったらしく、事例は極めて少ない。現役で動いているものは、世界でも10に満たないようだ。

実際に体験したときのユニークさは際立っており、ケーブルカーと船と飛行機をごちゃ混ぜにしたような不思議な感覚だった。最終日にレンタカーで乗り込むことも頭をよぎったのだが、怖じ気づいてやめてしまった。今にして思えば、強引に行くべきだったかもなあ。