はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

パラドール体験

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「パラドール」とは古城や修道院などをリノベーションしたスペイン国営のホテルのこと。その存在を知ったのはもちろん「水曜どうでしょう」なわけで、いつか泊まりたいなあと密かに思っていた。そこでお正月のスペイン旅行の目的のひとつに設定して、バスク地方を調べてみた。すると、フランスとの国境にあるオンダリビアという街に「Parador de Hondarribia」というそのままの名前のパラドールがあることがわかった。調子に乗って奮発して2泊してきたが、とても満足度の高い体験が得られたな。オフシーズンはお得感があっていいね。

このパラドールはもともと10世紀につくられた要塞をベースとして、居城として改築されたものだという。湾口を見下ろす高台のエッジにあり、要塞らしい重厚感たっぷりの壁面には、極端に窓が少ない。宿泊者の特権として、館内をウロウロと散歩するだけでもずいぶんときめいた。背後にある旧市街は、連続する城壁で取り囲まれている。たいへんに魅力的な街で、おそらく全ての路地を歩き回った。バルが沢山あるエリアも近かったので、バスクの美食も思う存分堪能できたよ。

ひとつ問題があるとすれば、そんな急峻な旧市街に立地しているだけに、車でのアプローチがえらく辛かったってこと。ここでもどうでしょう班の気持ちが共有できた気がする。結局、レンタカーでいろいろ巡る予定を全てやめちゃったんだよな。まあ旅というのは、心残りを少しだけ現地に置いてきた方がいいよね。