はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

基準とするもの

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小諸で見た、傾斜のある台形の敷地に建つビルの裏側。強い違和感があったのでじっと見ていたら、どんどんクラクラが増幅してきた。一体の建物ではなく、縦方向に細かく分割されているのだろうか、どうもフロアの位置が微妙に異なっているようだ。正面の道路に平行する間取りの部屋もあれば、台形になっている部屋もありそう。窓は完全にフリーダムで、全く統一感がない。

つくられた基準を感じ取ることができない事象は、ついつい不安な気持ちになるけれど、えも言われぬ魅力も感じる。これに近い感覚は、ブータンで体験したことがあるんだよな。つまり、水平・垂直・中心・対称などの「近代の呪縛」からの解放。でもやっぱり少し違う。「巧まざる造形」の魅力は、なかなか言語化できないな。 焦るつもりは全くないけど。