はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

感動できる構造

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お正月のバスク紀行より、一見すると地味なんだけど高い感動が得られるエスカルドゥナ橋を。カルロス・フェルナンデス・カサド事務所の設計で1999年に竣工したこの橋は、曲線桁の上部にがっちりした大きなトラスが斜めに配置され、さらに幅員が広い歩道上部の大きな屋根には水平トラスが仕込まれている。歩行空間は思った以上に開放的で、トラスのリズム感がとても楽しい。

一枚の写真ではなかなか伝わらないと思うけど、実際に架橋環境とセットで桁上と桁下を体験してみると、道路の条件をクリアしながら桁に生じるねじりモーメントを上手に解いていることが深く納得できる。複雑な構造システムでありながら、シンプルな印象に仕上がっているってのは、爽快感すら覚えるね。この橋はもっと有名でもいいのではないだろうか。いや僕がしっかり認識できていなかっただけなのだろう。ともあれ、ビルバオを訪問する際にはぜひ立ち寄っていただきたいな。