はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

崩壊した壁

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今日がベルリンの壁崩壊から30年という記念日であることを先ほど知った。もうそんなに経ったのかという気持ちと、まだ30年しか経っていないのかという気持ちと、どちらもある。振り返ってみると、この日を境に世界が動いたことは間違いなさそうだ。

僕がベルリンを訪問したのは、およそ8年前のこと。その時は壁の痕跡があまりにも広範囲に及んでいたのでびっくりした記憶がある。しかも、そのまま残していたり、ペイントのキャンバスにしたり、鉄筋のモニュメントに置き換えたり、路面標示だけにしたりと、その残し方の多様さにも感激した。そして、かつて世界を分断していた壁は、わりとペラペラなプレキャストL型擁壁ということにも驚いた。たったこれだけの厚さのコンクリートに、どれほどの人が苦しめられたのだろうかと。

せっかくなので、今夜はこれからベートーヴェンの交響曲第9番を聴いてみようかね。これ以上世界が分断しないようにと願いながら。