はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

山中の緊急災害復旧

f:id:hachim:20191214100651j:plain

津和野川に合流する名賀川。細長い島根県の、山口県との境界をなす山中を流れている。つまり、千葉から行くにはずいぶん手ごわい場所。その風景の第一印象は、しっとりと地域に馴染んでいるなあというものだった。ところがここは、2013年の豪雨によって甚大な被害を被り、迅速に復旧が進められたという。

大小の曲線が複雑に混在するライン、当該地域に見られる手法を引用した石積み、幅や高さの揺らぎが生み出す水流の表情、手の込んだ頭首工の造形、災害を乗り越えて残されたケヤキの存在などなど、細かく見るとずいぶん手が込んでいることが感じられる。災害の緊急対策と地域景観の創出が高度に両立しているって、すごいことなんじゃないかね。