はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2010-01-01から1年間の記事一覧

私的ドボク大賞2010

個人的な話だが、今年は人生で初めての海外生活がスタートしたこともあり、かなりスピード感のある密度の高い1年だった。このブログで今年を振り返ってみているんだけど、前半の出来事は遙か昔のことのように感じてならない。まあ今年もいろんなところに行…

最近のアーチの形

リエージュのこの駅の裏手にあるGuillemins橋。アーチのフォルムは駅舎のそれと同様、2つの直線をアールで結んだものになっている。いかにもカラトラバっぽいね。つい最近まできれいな形ではないと思っていたのだけど、実物を見てからは思い直すようになっ…

船の家

アムステルダムの運河にはたくさんの家が並んでいる。運河沿いではなくて、運河上に。陸上の建物はとても窮屈そうに建っているのに対して、のびのびとした平屋はいかにも快適という印象を受ける。開け放たれたカーテンの向こう側に、その充実した水上生活を…

多くの見どころが工事中

アムステルダム中央駅の立派な駅舎をじっくり拝見しようと思っていたのだけど、絶賛工事中のため全貌を拝むことができない状態だった。国立美術館も工事中。市立近代美術館も工事中。王宮も工事中。アムステルダムは工事好きにはたまらない街のようだね。

大雪にやられた話

欧州では先週末から記録的な大雪に見舞われており、各地で混乱が起きている。僕もアムステルダムで雪害にしっかり巻き込まれてきた。おそらく平日に仕事をほったらかして出かけた報いなんだろうが、これもいい経験ができたと前向きに捉えるようにする。以下…

アムステルダムのゆがみ

アムステルダムの運河を散策したのだけど、なんだか落ち着かない。空気が微妙に揺らいでいると思って目を凝らしてみると、建物が本当にゆがんでた。それも1つや2つではない。街のあちこちの建物がゆがんでいるのだ。なんでなのかな。オランダの大工は適当…

愛の南京錠

セーヌ川に架かる橋の高欄に、大量の南京錠がかけられていた。なんだこれは。おどろきとともにTwitterでつぶやいたら、即座にその理由を教えていただいた。 高欄に南京錠をかけて、その鍵を川に投げ込んで、永遠の愛を誓う。もともとイタリアで始まって、小…

セーヌ川最新歩道橋

パリのセーヌ川に架かる一番新しい橋であるSimone-de-Beauvoir歩道橋。「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という名言を残した、あのボーヴォワールの名前を冠している。知ったかぶりしてみたけど、どんな人かは全く知らない。 右岸側のベルシー公…

繊細な裏側

パリ南東部のCréteilという郊外感にあふれる街に、カラトラバが設計したOudry-Mesly歩道橋を見に行ってきた。メトロ8号線の終着駅から歩いて10分ほどの、高速道路の上に架かる下路アーチ橋である。 この橋は1988年につくられたというから、カラトラバのキャ…

魔法のピラミッド

ダヴィンチ・コードにも登場した逆さピラミッド。ルーヴル美術館に隣接する地下ショッピングセンターにある。これまた不思議な構造物。なんでこんな重力に逆らったものが成立しているのかしら。人類ってすごい。

魔法の橋

La Défenseという再開発エリアに架かるValmy歩道橋は、上から吊っているわけでもないのに、こんなに桁がカーブしているのに、柱がほとんどない。まるで魔法がかけられているようだ。あまりの軽快さに渡るのに躊躇する。 この不思議な橋は、ものすごいテクニ…

やらかしてしまったパリ初日

先週はパリに行ってきた。ちょうど欧州全土は寒波に覆われてしまい、パリもかなり冷え込んだが、各地で起きた交通機関の混乱には幸いにも巻き込まれずに済んだ。しかし、初日は華の都に浮かれてか、いろいろやらかしてしまったので、反省の意味を込めてメモ…

パリの新橋

パリのセーヌ川に架かるポンヌフという橋は、およそ400年前につくられた。ものすごく古いはずなのに、夕日を受けてほんのり輝くその姿は「新しい橋」という名前にふさわしくフレッシュな印象だった。どうやら数年前に化粧直しをしたらしい。それって、石の表…

300mの曼荼羅

現在エッフェル塔は19回目の塗装工事が行われており、一部が防護ネットで囲われている。全体像がきれいに見えないからといって、構造物をかじっている者として、欧州に来たからには参拝しないわけにはいかない。というわけで、寒風吹きすさぶ中、エッフェル…

トンネルアンカー

マーストリヒトからの列車がリエージュに到着する少し前に、車窓から大きな斜張橋が横目にちらりと見えた。なんとなく気になったので、リエージュ・ギューマン駅を一通り見た後に、歩いて見に行ってきた。思っていたよりも距離があったが、なかなか面白い橋…

天国へのエスカレーター

カテドラルの回廊のような宗教的な香りがするエスカレーター空間。ここまで完成度の高いハイパーモダン空間を見せつけられると、ちょっと息苦しくなってしまう。というか、それが狙いなのかな。

明快な空間

カラトラバが設計したLiège Guillemins(リエージュ・ギューマンと発音するのか?)駅では何度も驚嘆させられたわけだが、空間構成の明快さにも舌を巻いた。最下層の駅中央を駅前広場と同じレベルでコンコースが貫いており、その上には巨大アーチで囲われた…

カラトラバ初体験

ベルギーのリエージュという街に、Santiago Calatravaが設計したLiège-Guillemins駅を見に行ってきた。いやほんと、すごいったらないよ、いろんな意味で。美しさが過剰にあふれていて、とても現実とは思えない。なんというか、むちゃくちゃうまい贅沢なコー…

カスタムチャリ

オランダは自転車大国である。自転車保有台数は一人あたり一台を超えるとのこと。街中くまなく自転車道が整備されていて、通勤通学時間には大量の自転車群が結構なスピードでそこを通り抜けていく。体感的な優先順位は自転車>歩行者>自動車という感じ。ぼ…

ななめのでっぱり

アイントホーフェンで暮らし始めてから、テレビをほとんど見なくなった。当たり前だが、全くわからないオランダ語の放送ばかりなので。このため、家にいるときにはクラシックのFMラジオをつけることが習慣となった。 ところが、結構頻繁に現代音楽がかかって…

空間のゆがみ

Erasmusbrugの桁が上がっているときに橋面に行くと、空間がゆがんでいるように感じて、軽くトリップできるよ。これは、橋と川が斜めに交差していることにより床板の平面形状が平行四辺形になって、さらにそれが斜めに持ち上げられているから。このアーチ橋の…

リフトの余生

ロッテルダムにある1927年につくられたDe Hefという鉄道リフト橋。この区間の路線は1993年にトンネル化されたため、現在この橋は使われておらず、産業記念碑として残されている。 中央のトラス桁はタワー上部の滑車を介してその両端に結ばれたコンクリートの…

ゴミ投入口

アイントホーフェンに引っ越してきた当初、ゴミの出し方が全くわからなかった。アパートの管理会社で専用のICカードを使って地下のゴミ捨て場に投入するというようなことを教わったのだが、アパートに来てみてあちこち探しても地下室なんて見当たらない。あ…

ユロ均フリーダム

昨日は自由を探しに、バスを使って郊外の巨大ショッピングセンターへ使って行ってきた。そこに1ユーロ均一ショップがあるという噂を聞きつけて、いてもたってもいられなくなったためである。なんの話かわからんという方には、まず100均フリーダムというサイ…

キューブハウス

黄色い立方体を斜めにして大量に連ねたこの奇妙な集合住宅は、いくらなんでも自由すぎると思うんだ。机上の計画にとどまらず、駅前の一等地に本当につくってしまうなんて。これがダッチデザインなのかとオランダ人に尋ねてみたら、いやこれはおかしいだろう…

ごつい女王様の橋

ロッテルダムのノーデルアイランドとフェイエノールトを結ぶKoninginnebrugという跳開橋。どうやら女王の橋という意味らしい。トラス端部の車輪を回転させて桁を跳ね上げる仕組みになっている。桁が上がっている姿の写真は、オランダのウィキペディアにあっ…

橋を横切る船

大きなものが動くことは、それだけで楽しくなる。ふだん動かないはずのものであればなおさらだ。 エラスムス橋の見えるカフェでお昼を食べ終わって移動しはじめると、橋の方からブザーのような音が聞こえてきた。橋面を見ると、遮断機が下りてきたではないか…

曇天のロッテルダム

この日も雨が降りそうな曇天だった。しかし、オランダのドボクを見たいという欲求を押さえられず、一路ロッテルダムへ。暗い雲の中で一瞬、タワーにだけ太陽の光が当たったエラスムス橋は、彫刻作品のように凛としていて、悔しいけどかっこよかった。このシ…

オランダの先制パンチ

オランダに来て最初の夜はこちらにも書いたように、緊急避難的にスキポール空港にあるホテルに泊まった。ぐったり疲れた身に、このホテルはかなり刺激的だった。そのことを書き忘れていたので、今更ながらメモを取っておこう。 スキポール空港のインフォメー…

ダッチ・デザイン・ウィーク

アイントホーフェンでは土曜日から「ダッチ・デザイン・ウィーク」というイベントが開催されている。これはその名の通りオランダを代表するデザインイベントで、街の至る所がギャラリーになって作品展示が行われたり、ワークショップやファッション・ショー…