はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

森の中の空中回廊

ヨルグ・シュライヒが設計したシュトゥットガルトにあるケーブルネット構造のLodzer歩道橋は、アプローチ部分も素晴らしい。ここを歩くと、まるで森の木々の間を浮遊しているような不思議体験が得られる。 結構な高低差を長い延長のスロープでつなぐために線…

細い脚

シュトゥットガルトから南西に約50km、ネッカー川がつくった谷を跨ぐアウトバーンの高架橋。この橋脚、不健康なスーパーモデルのように痩せ細っているじゃないか。やけにかっこよすぎるけど、大丈夫なのか。 なお、桁は現在絶賛塗り替え中。桁は極めて鮮やか…

壁超え

ノルマンディー橋の信じがたい眺め。高低差およそ60mの壁を越えていく車両たち。航路を越える道路という難題を視覚化するとこうなる。 ノルマンディー橋の北側には料金場がパーキングと併設されていて、その屋根の上を歩くことができるので、このようなおか…

念願のサーベイ

セーヌ川の河口を跨ぐノルマンディー橋が供用したのは、1995年のこと。個人的な話で恐縮だが、この年は僕がデザインの修士を修了し、土木の設計会社に就職した年でもあるので、この橋のことがとても印象に残っており、いつか現地に見に行ってみたいとずっと…

プチサヴォア邸

せっかく車でパリに来たのだからと、建築巡礼を気取って、郊外にあるル・コルビュジエによる超有名物件の「サヴォア邸」に行ってみた。 前日にグーグルで調べた場所にはやや貧相な白いゲートがあって、本当にここが入り口なのかどうか、思わずあたりを見回し…

ルーアンのタワーブリッジ

フランス・ノルマンディー地方の中心都市であるルーアンは、ジャンヌ・ダルクが処刑された地として有名で、まあまあ内陸部に位置しているにもかかわらず、パリの外港としてセーヌ川の水運で栄えた都市。どんだけ港町かと言うと、こんなとんでもない橋がつく…

板のバックステイ

ネイ事務所の方から、KortrijkにあるS字の線形が美しい歩道橋College橋のすぐ近くに最近できた道路橋はグレイシュ事務所絡みだというお話しを伺っていたので、しばらくネット上で調べていた。しかし、2010年秋に開通したばかりという新しさな上に、英語と蘭…

円筒の夢

パリのシャルルドゴール空港ターミナル1はかなりかっこいい。1974年につくられた円筒形のターミナルビルとそれを取り巻くように配置されたサテライトは、拡張性が全くなかったり効率が悪かったりする面も多々ありそうだが、いま見てもとても斬新。その当時…

ブンカー美術館

今回のベルリン訪問の中で、最も感激したのがSAMMLUNG BOROSという2008年にできた現代アートの美術館。Bunkerというコンクリートの要塞?防空壕?トーチカ?をリノベーションしたもの。外壁の厚さはなんと1.8mという、なんともばかばかしい元軍事施設。最大…

グレイシュの橋

先日、オランダ南端のマーストリヒトに行ったときに、きれいなアーチ橋を見かけた。構成要素の基本形態とそれらのおさまりがとてもシンプルにまとまっていて、すっきり爽快さわやか系歩道橋といった印象を受けた。 どなたの設計なのかなと気になって調べてみ…

復活した博物館

ベルリンの街はどこをどう見ても戦争の傷から逃れられないようになっている。そこに気がつくとどうしても気分が重たくなってしまうが、それを乗り越える強烈なパワーも同時に感じられるので、感情が激しく揺さぶられる。 2009年10月に70年ぶり再開した新博物…

トイレで食事

この鉄道高架下のハンバーガー屋さんの建物は、もともと公衆便所だったのだそうな。なんと大胆なコンバージョン。時間や空間が様々な形で交錯しているこの街は、幻惑を伴う驚嘆に満ちているね。 このような普通の観光旅行ではお目にかかれないマニアックな体…

ベルリンのイメージ

僕が勝手にイメージしていたベルリンの街には落書きがつきまとっていたのだけれど、これほどとは思わなかった。甘く見ていてすいませんでした。壁という壁が幾重にも塗られた少々クオリティーの低い落書きによって隙間なく埋め尽くされていて、その空間はな…

近代デザインの聖地

デザインに関わる者として、この地を訪れないわけにはいかないだろう。そして、教科書と同じ構図の写真を撮らなければならないだろう。そんな義務感を感じながらバウハウス・デッサウを訪問したのだが、案の定がっちりはまって大興奮。なんだかんだで聖地巡…