はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2013-01-01から1年間の記事一覧

神々しい駐車場

千葉の宝のひとつ、そごうのぐるぐる駐車場タワーの中央部。 未来世紀ブラジルのラストシーンに登場した発電所のクーリングタワーの内部にも似た眺めであり、二重らせんのスロープを定着しているアンカーが壁に点々と並んでいる様は、天に昇るような荘厳な気…

サイバーパンクな街

千葉駅に接続する千葉都市モノレールの軌道を、上から眺めてみた。1984年にウィリアム・ギブスンが書いたサイバーパンクSF小説『ニューロマンサー』に登場する電脳都市「チバ・シティ」は、実はすでに現実のものになっているんじゃないかと、うっかり錯覚し…

砂防階段

松本市の南東部を流れる牛伏川の上流は、江戸時代からの森林伐採ですっかり荒廃していたらしい。しかも、糸魚川静岡構造線に沿った脆弱な地質であるために、土砂災害が絶えなかったらしい。たしかに現地に掲示されている昔の写真を見ると、見渡す限りはげ山…

ボックス基礎

先日の「切通し交差点」の風景を望む歩道橋の基礎が、なんだかおかしなことになっているよ。久地円筒分水から続く用水の直上に歩道橋が架かけられているために、「ボックスカルバートが基礎」になっているのだ。「ボックスカルバートの基礎」という意味では…

切通し交差点

川崎市を通る国道246号に、「切通し」というストレートな名前の交差点がある。先日、近くを通りかかったので、歩道橋の上からじっくり眺めてみた。すると、さもありなんと納得してしまうほど、丘陵をズバッと切り裂く見事な切通しを確認することが出来た。 …

鉄筋コンクリート教会

このブログは自分自身の備忘録としてそれなりに機能している。しかし、アップしたと思い込んでいるネタをうっかり記載していなかったというケースが、わりと頻繁に起こっている。どうやらツイッターやフェイスブックに気楽にアップしたものを、このブログに…

重たい橋

整備が着々と進められている北陸新幹線の神通川橋りょう。箱桁橋のPCケーブルを思いっきり外に出してみたら斜張橋のようになってしまった「エクストラドーズド」という形式の橋。構造的にはPC箱桁に近いけど、見た目は背の低いPC斜張橋である。 この形式のデ…

宇宙的鮮魚空間

はじめて築地市場に行ってきた。 昼下がりの市場はすでに閑散としており、脳天気な世界から時間空間がぽっかり切り取られたかのよう。天井から漏れる光は、なんとも妖しい色彩とともに屋根のトラス構造を浮かび上げている。大きなカーブのついた大空間の床に…

もやもやした感情

なんだかんだ言って、つくる側の都合を優先した結果として生じたカオスな形態や構成や質感は、個人的に大好物である。その感情はなかなか言葉にならないけど。あらためて石井さんが用いた「萌え」という表現はうまいなあなんてことを、宇部の工業地帯に行っ…

鉄道橋の教科書

一昨年ベルリンを訪問したとき(ベルリンのイメージ、トイレで食事、復活した博物館など)に、なにかとお世話になった増渕基氏が翻訳を手がけた『鉄道橋のデザインガイド』が出版された。この本はドイツ橋梁界の重鎮であるヨルク・シュライヒが中心となって…

みなみあいきちゃん

南相木ダムは、色白でプロポーションの良い、若さ溢れるアイドルである。名前もそれっぽいし。しかも、なんだかエキゾチックで謎めいた魅力も漂わせていて、思わず将来が楽しみになる超大物の雰囲気を振りまいているんだよね。 ダム下流は「ウズマク広場」と…

宇宙系施設

今年の大型連休は長野方面に2泊3日で砂防、用水、ダムなどの水系インフラを中心に、駆け足で見て廻った。そこには果てしなく続く自然との闘いがリアルに感じられ、とても良質の刺激を受けることができた。 行程は直前になってから慌てて組み立てたので、宿泊…

高度な仮橋

牛伏川フランス式階段工の上流に、自衛隊クラスの技術力が駆使されたのであろう、かっこいい仮橋があった。桁はアルミ製梯子。片側にはV字橋脚を延長してつくられた高欄まである。もちろん僕は腰が引けてしまい、渡ることができなかったよ。

団地ノスタルジー

先日の札幌出張では少し早い便に搭乗して、かつて住んでいた琴似という街に行ってきた。時々行っていたスープカレー屋でランチをして、その後に琴似の街をぶらりと散歩した。ラーメン屋、焼き肉屋、居酒屋、喫茶店など、当時よく行っていた店舗がまだ営業し…

木目調コンクリート

JR北海道の岩見沢駅をまだ見ていなかったので、札幌出張の際に帰りの飛行機の便を少し遅らせて行ってきた。何度か近くを通過したことはあるし、いつでも行けると思っていたのだけど、岩見沢って街は行く気で行かないとなかなか行けないことを痛感した。 この…

昭和最初期のコンクリート壁

富山県の庄川水系にある小牧ダムは、昭和5(1930)年に水力発電のために建設された重力式コンクリートダム。日本の臨海工業地帯の基盤を築いた実業家・浅野総一郎の肝いりでつくられた。 浅野総一郎が築いた浅野財閥ってどんな企業の元になってるのか軽くグ…

京都グリッドの呪縛

一ヶ月ほど前、京都に行く機会を得たので、古都って言っても現代の暮らしはどうなっているんだろうかねえと思いながら、うろうろと街を徘徊してみた。その際に、京都の地図を眺める度に気になっていた「後院通」にも行ってみた。 何をいまさらと言われると思…

連担する様

かすかに違うけどほとんど同じようなものが連担している状況って、すごくグッとくる。特にそれがでかいものだと。こんな気持ちになるのって、僕だけじゃないよね?

アールデコの橋

駿河台の「山の上ホテル」火災のニュース映像をチラ見していると、ホテル本館がバリバリのアールデコ建築であることにあらためて気付いた。僕は装飾様式に詳しいわけではないんだけど、アールデコって嫌いじゃないんだよね。どことなく欲望が見え隠れする俗…

地図の公開と日帰り沖縄

少し前から、このブログの画面右上に記事内の「検索」の項目とともに、「写真帳」と「地図」という項目を追加している。その名の通り、「写真帳」は記事に用いた写真を一覧するページに、「地図」はこれまでの写真の撮影地点をプロットしたページにリンクし…

横たわったピクトさん

金沢の街中で見かけたママチャリで疾走するピクトさんと、その脇で横たわるピクトさん。 当然のことながら自転車用車線と歩行者用車線の表示であることは容易に理解できるのだが、自転車ピクトさんと歩行者ピクトさんを見る方向が異なっているので、一瞬戸惑…

JCT鑑賞用駐車場

京都から南に下ったところにある久御山ジャンクションを見に行ってきたんだけど、想像以上にすごすぎて全く手に負えなかった。道路交通の観点からは極めて都合がよいとされるフルタービン型のジャンクションは、外から見たときのスケールとカオスさが尋常で…

タンガ

北九州の旦過市場がすごいよ。(公式ホームページ) 神獄川の上に迫り出した店鋪の背面が、なんとも幻想的なたたずまい。まるで東南アジア的のカオスな水都のような雰囲気を放っていて、うっかりときめいてしまう。 もちろん市場の中もすてきだよ。バックヤ…

駅前の大穴

ミラノからユーロスターに乗ってフィレンツェに行ったときのこと。 電車を降りるなり、モダンながらもファシズムのテイストが感じられるサンタ・マリア・ノヴェッラ駅にガツンとやられた。観光ガイドブックを見ると、ドゥオモやベッキオ宮やジョットの鐘楼や…

ゴルフ場の調整池

ゴルフ場の開発に伴って整備された調整池のことではない。宅地開発に伴って整備された調整池を、ゴルフ練習場として使っている事例である。この近くにお住まいの方に教えていただいて、この調整池と併せてウハウハしながら見に行ってきた。いやもうすごいよ…

石造風ではないアーチ橋

御茶ノ水キャニオンに架かる鉄骨コンクリート(メラン式)アーチ橋の聖橋は、これから大規模な補強工事が行われるようだ(東京新聞 TOKYO Webの記事)。あの石造アーチ風ペイントを廃止することも検討しているようなので、ぜひとも実現していただきたい。 こ…

余計な雪

昨年末、北九州→宇部→岩国→広島を巡った際に、20年来の念願が叶って「錦帯橋」を参拝することができた。ありがたやありがたや。 しかし当日は寒波が襲来しており、雪が舞う天候だった。こちらは資料としての記録写真を保持したいというのに、雪が画面に入っ…

趣味趣向の差異

先日、ダムマニアの方4名とお話を伺う機会があったのだが、どの形式が好きか尋ねたところ、3名が重力式コンクリートダム、1名がフィルダムと答えられた。僕が好きなアーチダムやバットレスダムが挙がらなかったことが意外に思った。たしかに重力や物量によっ…

銀座の特異点・三原橋

銀座と言えば、高級百貨店、ブランドショップ、高級クラブに代表される大人の繁華街といったイメージか。歴史ある企業の本社やショールーム、ファストフードやファストファッションの旗艦店が集中するビジネス拠点というイメージか。 そんな銀座に、極めて特…

パイプ屋根

ミラノのポルタ・ベネチア駅の、メトロじゃなくてS線の方の駅部。土かぶりの少なさのためか、パイプルーフ工法(THパイプルーフ技術協会|工法の概要)で大空間をつくり出している。特殊な工法がそのまま空間フォルムやディテールに反映されているのがとても…