はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

港との距離

国家や都市のバックヤードを担っている港湾って、グローバル化とともにその規模が大きくなるに従って、どんどん市民生活から離れていき、リアリティを失ってきているように思う。それは、様々な形態の貨物を合理的に大量運搬可能にした「コンテナ」という物…

スナック様式の最高峰

先日、富岡製糸場を再訪した(参照:世界遺産のお手入れ)。その際に市街地を散策したのだが、これがなかなかしびれる街並みだった。なんというか、かつて多くの人々が行き交っていた頃の雑多な猥雑さを思い起こさせる、絶妙な昭和感が残されていたのだ。 そ…

浮かび上がる骨格

11月24日までに、急いで新宿駅西口広場イベントコーナーに行こう。土木学会「土木コレクション2016」と、東京都建設局「橋と土木展」が同時開催されているので。土木の展示としては王道である「技術を丁寧に伝える」という雰囲気の中で異彩を放っているのが…

10周年とは

10年前の今頃は、様々な意味で自分にとって大きな転機になった時期だった。それまで激しく続けていた様々なプロジェクトが収束していったり、自分の周辺でごたごたが続いてしまったり、なぜか心身ともに不調に傾きはじめてしまったり。その一方で、個人的ム…

存在を誇示するダクト

本日はベルギーの街角デザインの話をする機会があった。そのプレゼン資料の材料を集めている最中に、アントワープ中央駅の地下ホームの写真を久しぶりに見て、あらためて衝撃を受けた。なにこのダクトの存在感。なにこの無駄に注意を喚起するカラーリング。…

遺跡の見せ方

夏のアルプスツアーの目的のひとつに、Marte.Marte Architektenによる橋があった。調べているうちに、どうやらローマ時代の遺跡を絡めた「Freilichtmuseum Römervilla」なる耐候性鋼板でつくられたモニュメントがヒットしたので、ついでに見に行ってきた。こ…

上海のジャンクション景

そういえば上海の都市内高架橋って、プランターで緑化していた気がするなあと思い、過去の写真をごそごそと捜索してみた。すると、2006年に出張で行った際の写真が出てきた。もう10年も前という事実に驚愕しつつ、仕事をちょろりと抜けてジャンクションの写…

リアルな山水画

先週末は旭川を訪問した。11月上旬なのに、ひょっとすると根雪になるんじゃないかと思うほどの荒天に見舞われた。訪問者の身勝手な思いだけど、久々に真冬の北海道を疑似体験できて、懐かしさとうれしさがこみ上げてきた。 土曜日の午前中に用務が終わり、夕…

素敵な駅舎と街の変化

2010年に開業した4代目旭川駅。これまでも何度か訪れているけれど、今回ははじめて夜景を堪能した。しかも、11月上旬なのに適度に雪が積もった冬景色で。 昼間ははっきり認識できない特徴的な形状の柱が、ガラスのカーテンウォール越しにくっきり見えて、そ…

国境の屋根

この夏に通過した、オーストリアとリヒテンシュタインの国境にある施設。やたらと薄くシャープに見える板と、たった2本のやたらと細く見える柱で構成されたキャノピーは、重力に逆らう魔法がかけられているように見える。本体となるガラス張りの施設はスケ…