はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

見事な扇状地

昨年の秋に札幌に行ったとき、飛行機の窓から絵に描いたような扇状地を眺めることができた。胆沢川によって奥羽山脈が削られ、その土砂が放射状に堆積したというジオスケールのダイナミズムが、視覚的に理解できる。 このような地形はたいてい水はけがよく、…

小判型ぐるぐる

先日出張で訪れた高崎では、ちょっとした空き時間に市内を散策することができた。高崎の特徴なのか、大きな地方都市の特徴なのかは定かではないが、駅周辺に大規模な駐車場が大量に立ち並んでいる様子にびっくりした。 その中でも、ビルの谷間にチラリと見え…

謎の地上絵

昨年の夏にフィンランドの上空から見えたこの施設のことを調べようとして、ずいぶん苦労して場所を特定した。実感としては、シベリアの河川を特定したときと同じくらいたいへんだった気がする。しかし、場所を特定できても、なんの施設なのか全然ヒットしな…

メジャードボク

いまさら感が否めないんだけど、はじめて「首都圏外郭放水路」を見学してきた。最近の土木構造物の中でも、スーパーメジャー級なのに。しかも、自分から仕掛けたわけでなく、別の企画に便乗するというやや消極的なスタンスで。 これまでいろんな方のかっこい…

稚内ドーム

稚内港には1936(昭和11)年に建設された「北防波堤ドーム」と呼ばれる珍しいフォルムの防波堤がある。宗谷海峡の強烈な風と波を遮る半アーチ断面の覆いや、それを支える70本の列柱がえらく感動的。ふんわりカーブのリブが反復する回廊は、港内側に向けて解…

世代を超える調和

先日患ったインフルエンザB型をきっかけに、すっかり体調を崩してしまった。回復するための体力が枯渇していたことに対して、自分の加齢を痛感せざるを得なかった。しかしこのままずるずるだらだらしている場合でもないので、リハビリのため近所を散歩する…

スケール感の表現

山口県美祢市にある宇部興産の露天掘り石灰石鉱山では、巨大なダンプトラックが往来していた。しかし鉱山自体を眺めると、その巨大さが全く実感できないスケール感。実際のダンプトラックが気になって、少し調べてみた。別の写真から判定すると、どうやら「…

ジュゴンの拘束具

消波ブロックを「テトラポッド」という呼び名で認識している人は多いだろう。先駆的存在であるとともに、特徴的かつ均整の取れた姿のためか、すっかり一般名称として浸透しているよねえ。でも、これはひとつの商品名だ。同様の機能を有する製品は多数あり、…

コンクリートの柔軟性

コンクリートは型枠次第でどんな形にもなる。その型枠が何度も転用できる鋼製だったりすれば、同じ形状のものを大量に生み出すことができる。そんなことを頭の片隅においておくと、海岸を守る消波ブロックの形態バリエーションですら楽しめるようになるよ。…

人工物上の天然湖沼

先日、某所でお話ししたとき、インフラ景観の魅力について「人知を越える自然に必死に抵抗するための叡智の集積」といった表現を用いたところ、来場者の方に猛然と抗議された。その時は彼のお怒りポイントがさっぱりわからなかったが、おそらく、土木事業に…