はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

レガシー

「レガシー」という言葉はスバルのレガシィが真っ先に思い浮かぶこともあり、オリンピックなどの文脈で使ったことはない。まあその前に、なんとなくではあるけれど、個人的には「遺産」のイメージが先行してしまうので、現役施設に適用することをためらっち…

イタリアの造形

完全な主観ではあるけれど、イタリア人の造形力って特別にすごいと思う。街中に溢れる具象彫刻はもちろん、建築物も、自動車も、彼らが生み出してきた立体物の造形には、ついついうっとりさせられてしまう。 ネルヴィが設計したパラッツェット・デッロ・スポ…

入りたかった体育館

なんとなく体育館ネタが続いているついでに、まだアップしていなかったネタを。 2011年のクリスマスの日に、バチカンのサンピエトロ広場でローマ教皇のお言葉をいただいた後に見に行ったパラロットマティカ(PalaLottomatica)という競技場。1960年のローマ…

三角体育館

丹下健三とタッグを組んで数多くの名建築を生み出した構造家・坪井善勝が、単独で設計した体育館が下関にある。1963(昭和38)年につくられた下関市体育館は、全体を通じて三角形の変奏曲といった雰囲気が生み出されていて、そのフォルムはスター・デストロ…

舟の行方

『100均フリーダム』の著者である内海慶一さんの「唐突感こそが、香川県立体育館らしさなのだと思う。」というツイートを見て、「しまった」と思った。丹下健三によるこの体育館は3年前に立ち寄ったことがあるのだが、屋根構造を反映した奇抜で圧倒的なフォ…

地下へのいざない

押上<スカイツリー前>駅のA1出口は、やんわりとしたカーブが見事だよ。先の見通しがきかないことって不安感を抱かせることが多いように思うけど、ここは期待感を持ってしまう。 そういえば地下鉄の出入口って、「出口」と呼ぶのはなんでだろうか。単純に管…

アルプスの道

オーストリアの狭隘な谷をレンタカーで走ったとき、いやこれムリ!って思った。だって、素掘りトンネルの断面にぴったりサイズのバスが、それほど速度を落とさずにずんずん走ってくるんだよ。恐怖を越える感動を味わうことができたな。 この写真は、Schanerl…

ひねる理由

昨年の夏、オーストリアのドルンビルン川に架かるSchanerloch橋というかっこいいコンクリート橋を見に行った。桁下面がねじられた造形になっていたのだが、現地を観察してもその理由がよくわからなかった。もしかしたらエンジニアリング面での理由はなく、オ…