はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

地下

むき出しスクリュー

オランダといえば、まず風車をイメージする人が多いと思う。それはオランダの国土の成り立ちからして、すごく正当な見方だ。なにしろ低湿地の干拓のための施設(参照:ダッチ土木の伝統)だからね。 もちろん現在は風車とは別のやり方で排水している。18世紀…

鉄道の大聖堂

ベルギーのアントワープ港に来たついでに、以前タリスに乗車したときにちらりと横目で見てから気になっていたアントワープセントラル駅にでも見に行ってみるかと思い立った。来てみてびっくり、僕が今まで体験した駅の中でも一番すごいんじゃないかというく…

宗教建築的空間構成

個人的に地下の大空間には強い魅力を感じる。エスカレーターで地上への上昇を強調されたらもうたまらない。そんな地下鉄駅がロンドンにあった。カナリーワーフという再開発地区の中心にある駅だ。周辺はボリューム感のある高層ビルが林立しているので、この…

魔法のピラミッド

ダヴィンチ・コードにも登場した逆さピラミッド。ルーヴル美術館に隣接する地下ショッピングセンターにある。これまた不思議な構造物。なんでこんな重力に逆らったものが成立しているのかしら。人類ってすごい。

人だけの出口

首都高の八重洲ICは東京駅に隣接しており、そこには「乗客降り口」という施設がある。車は首都高から降りることなく、人だけが東京駅に降り立つことができるのだ。首都高でいったん停車し、乗ってきた車と別れ、薄暗い地下の通路を抜けて、ひょっこり別世界…

古代風地下迷宮

先日、念願かなって宇都宮の大谷資料館に行ってきた。地下空間好きならば、必ず訪れなければならない場所のひとつだ。この一帯では大谷石という軽くて柔らかい石材が採掘され、その跡地である超巨大地下空間が一般公開されているのだ。 エントランスが手動の…

光の縞

成田空港の滑走路をくぐるボックスカルバートのアプローチ部は、光と影が織りなす幻想的な空間になっている。交通安全上いいかどうかはわからないけど。

手軽に海外

都営三田線日比谷駅の壁紙の前で記念写真を撮れば、ちょっとした海外旅行気分が味わえるよ。

混沌の地下街

日本で最初の地下街は1931年の神田須田町地下鉄ストアなわけだけど、1955年にオープンした浅草地下街もなかなかのもの。この後、渋谷、銀座、名古屋、大阪、佐世保、岡山でも続々と地下街がつくられたようだ。この時期のものは戦後の土地区画整理事業に伴う…

薄れゆく記憶

東京メトロ銀座線の神田駅に直結している神田須田町地下鉄ストア。なんと、1931年(昭和6年)に開業した、日本で最も古い地下街である。戦前に地下街がつくられて、しかも現存しているってのはちょっとすごい。 長い歴史の流れの中で、この空間にもいろんな…

山岳地下鉄

最大傾斜31度、標高差373mを5分間で駆け上がる黒部ケーブルカーの車窓より。どこをとっても、いちいちかっこいい。だって、山岳トンネルの中に駅舎があるんだよ。車両の床が階段になっているんだよ。一本のケーブルで上りと下りの車両がつながっているんだよ…

穴の底

中央雨水貯留幹線のシールドマシン発進基地である立坑。以前見学させていただいた大橋ジャンクションの立坑のほうがはるかにスケールがでかいけど、曲面で囲まれた空間の方が雰囲気があるね。なんというか、救われることのない絶望感みたいな。見学会の案内…

ゲリラ対策

3週間ほど前、千葉市街地でも集中豪雨があって、道路が冠水したりした。そんな浸水被害を抑制するために貯水トンネルがつくられていることを、つい最近になって知った。市政だよりもたまには読んでみるものだね。 本日、下水道フェアというすてきな名前のイ…

地下水門

都営新宿線の馬喰横山駅と都営浅草線の東日本橋駅を結ぶ地下連絡通路を通っていたら、なにやら不思議な鉄板に出くわした。防火壁にしてはやけに頑丈そうにできている。ヒンジは巨大だし、厚さもかなりありそうだ。 なんだろうと思ってしばらく考えながら周囲…

地下のワッフル

東京メトロ千代田線の国会議事堂前駅のホームは、シールドトンネルである上に緩やかに湾曲している。チューブ感満載で、かなりかっこいい。それが現在、さらにすてきなことになっている。補修工事中のために内装パネルが剥がされ、鋼製セグメントがむき出し…

都市の長大トンネル

2007年の暮れに開通した首都高の山手トンネルを、ようやく初めて通ってきた。勝手に巨大な断面と緩やかな線形を持つアクアラインのようなトンネルだと思いこんでいたのだが、実際に走ってみるとかなり印象が違っていた。微妙なカーブやアップダウンが結構多…

地下宮殿

地下空間では自然採光や天井の高さが重要ってことはわかるけど、これはちょいとがんばりすぎだと思う。

地下に架かる橋

にわかには信じがたいことだが、地下に架けられている歩道橋が六本木にある。昨年の今頃、偶然見つけた。先日も、六本木のAXISビルで行われたフォーラムが終わった後に、その直近にある不思議な構造物をあらためて見てきた。上空に首都高が架かる一般道…

理由と都合

公共地下空間にはヘンテコな空間が結構存在する。たとえば、写真のようにちょっと下がってちょっと上がるといった具合に。もちろん、それらには原因があるのだろう。たとえば、地下鉄や共同溝などの移設できない埋設物がもともとあるとか。既存の埋設物の移…

東京でパークアンドライド

東京駅と首都高は直結している。そんな驚愕の事実を、つい数年前に知った。以前、実際に見に行ったのだが、八重洲地下駐車場の地上出口の隣に首都高出口があり、ちゃんと通行料金を払う窓口もある。ぱっと見は普通だけど、ちょっと考えるとびっくりする眺め…

仮想的現実空間

東京の丸ビルと新丸ビルの間にある、昨年できた地下道。 その眺めは現実を通り越して、もはや、CGのようだ。ここにいると、バーチャル空間の中に身を置いているような気分を味わえる。SFも身近になったもんだ。 ふと気づくと、CGはどこまで現実を再現…

迷宮の成り立ち

都市内の地下連絡通路には、ちょっとした折れ曲がりや高低差がたくさんある。なんでなのか、考えてみた。 ひとつは、深度が浅い地下通路は、主に道路などの公共用地の下につくられること。ゆえに、その平面形状や縦断形状は地表の道路形状によって規定される…

亜空間への入り口

地下鉄のホームの端から見た、シールドトンネル内部の様子。 この真円の断面を生み出すシールド工法とは、巨大な掘削機械によってモグラのように穴を掘りながら、同時にコンクリートの壁を構築していくもの。コンクリートの壁は、工場で生産された精度の高い…

純粋地下街(2)

前のエントリの続き。 韓国にはどこにもつながっていない「純粋地下街」がいくつか存在している。日本では、ほぼ全ての地下街が鉄道駅に接続しているというのに。 韓国で最初の地下商店街がソウル市庁前に開業したのが1967年。最初の地下鉄1号線が開通した…

純粋地下街(1)

地下街については、10+1のウェブサイトに「地下設計製図資料集成」というフィールドワーク記録集がある。何かとわかりにくい地下空間を理解するための手がかりとなる、とても面白い地下論考がたくさん綴られている。 その中で、日本で最初に建設された神…

下町の頑固さ

浅草の地下街に通じる階段。かなり怪しげな雰囲気を醸し出しているけど、地上からのメインエントランスだ。たぶん。この地下街、見た目からしてもかなり古い。営業開始は昭和30年(1955年)らしいので、すでに半世紀ということになる。その時期から考えると…

リアル・ダンジョン

地下は迷いやすい。その理由はいくつか考えられるが、“迷い”の種になる“戸惑い”が生じやすいポイントがある。 それは、分岐と昇降。 直角や1階層のような明快さがない場合、さらに戸惑いは大きくなる。これが同時に出てくる場面は、なかなかの迫力だ。ゲー…