はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

改修

メリハリのある炭鉱

かつて石炭を産出していたベルギーのヘンクという街には、カンファレンス、カルチャーセンター、デザイン系専門学校、映画館などの複合施設である「C-mine」がある。もちろん、もともとの炭鉱施設を利用した炭鉱関連の資料館も併設されている。以前にはここ…

ダムの再開発

先週の金曜日から土曜日にかけて、台風19号が迫る鹿児島に行ってきた。目的地である川内川の「曽木の滝分水路」の取材を済ませ、対応してくださった方にこの周辺での見どころをお聞きしたところ、「下流にある鶴田ダムで、堤体に穴を5つ空けているダム再開発…

耐震補強様式

これまでにもいくつか取り上げてきた(モダニズム神社、デパートの裏側、巨大ミニチュア)ように、福井市内には魅力的な物件が多く存在しているという印象がある。上記物件もその中のひとつ。 ここまでやれば、「耐震補強様式」という独立したスタイルとして…

教会書店

以前、マーストリヒトにある教会をリノベーションした書店(時の刻み方)を見に行った。アムステルダムから東に100kmほどのズウォレの街にも、昨年の夏に教会リノベ書店がオープンしたという情報を入手したので、お正月に立ち寄ってきた。 15世紀に建てられ…

旋回レストラン

1960年代の後半あたりだろうか、ビル屋上に円盤が乗せられて、それが回転するという大胆なレストランが流行った時期があったように思う。 アムステルダムにある「Café Restaurant OPEN」は、それらとは全く異なる。廃止された鉄道の旋回橋を、レストランとし…

竪坑の内臓

マーストリヒトにほど近いベルギーのヘンクという街に、「C-mine」という炭鉱跡をリノベーションした施設がある。ここの情報はネットでちらほら見かけていたのだけど、具体的にどんな施設なんだかよくわかっていなかった。タービン建屋のチケット売り場でい…

長すぎるオフィスビルとベンチ

アムステルダムの造船所跡地に、かつてはクレーンが載せられていた全長270mのコンクリートのフレームが残されていた。これまでもオランダ人のすさまじいリノベーションマインドを数多く見てきたが(たとえば、飛行機に泊まる、クレーンに泊まる、毒虫の部屋…

ピカピカ高炉

ようやく北九州市にある「東田第一高炉史跡広場」に行ってきた。日本の製鉄黎明期を支えた高炉が、記念碑として保存されている希有な事例である。 以前よりこの存在は知っていたのだが、いまひとつ見に行く気になれなかった。なぜなら、すべてがきれいに塗装…

補修の痕跡

碓氷峠のアプト式鉄道の廃線が、遊歩道として整備されている。鉄道でしか通れなかった橋梁やトンネルを、自分の足でダイレクトに体験できるってのは、うれしいねえ。 有名な碓氷第三橋梁(めがね橋)に接続する、「碓氷第五隧道」の内壁のテクスチャーがたま…

さよならダム

熊本の球磨川に発電用ダムとして1955年(昭和30年)につくられた荒瀬ダムは、戦後の復興期を中心に活躍した。発電方法の多様化に伴う役割の相対的な後退、老朽化に伴う維持管理費の増大、水質汚染など環境に与えてきた負の影響などを理由に、水利権の失効を…

王宮ラッピング

一昨年の今頃は何をしていたのかなとふと気になってカレンダーを見てみたら、10月から始めたオランダのアイントホーフェンでの生活にすっかり慣れて、はじめてアムステルダムを訪れた日だった。このときはコンセルトヘボウのコンサートを観覧するという浮か…

サイボーグ滝

こんど九州に行くんだけど面白いところ知らない?とフェイスブックなどで問いかけたところ、友人のメカパンダ氏から「補強工事で雪舟の描いた滝を再現したダムが大分にあるよ」というなんとも謎めいた情報がもたらされた。なんだろう、北海道の中札内にある…

毒虫の部屋

先日紹介したオランダ空撮写真集「nlxl」に出会ったアムステルダムのホテルの話は、すでにブログに記載したはずだよなーと思ってごそごそ探したのだけど、どうやら書いていなかったようだ。もはや欧州紀行の記憶が混乱しはじめていて、とても焦る。 「LLOYD …

リサイクルトンネル

昨年末、ザハ・ハディドが設計したローマの21世紀美術館「MAXXI」に行ってきた。とんでもなく未来感のある刺激的な建物もすごく面白かったんだけど、たまたま開催されていた「RE-CYCLE」という企画展に出くわした。これは、都市、土木、建築、造園、映像など…

鋼列柱

トリノのある教会を見るために中心部から北西方向にトラムで行ってみるたのだけど、周辺の状況はまったく調べて行かなかったので、そこに広がる光景はまったく想像していないものだった。 錆止め色の柱が果てしなく広がっている公園は、とても印象的な空間が…

一歩引く

旧西ベルリンと旧東ベルリンの境界に架かる、ダブルデッキのOberbaum橋。有名なベルリンの壁のイーストサイドギャラリーのすぐそばにある。もともとは1902年につくられた石造?コンクリート造?レンガ造?のアーチなんだけど、中央部分は1995年にカラトラバ…

コンテナハウス

コンテナのことが好きになるにつれ、一度はコンテナの中で暮らしてみたくなるのはひとつの方向として正しいと思う。 アムステルダムの中央駅から「NDSM-werf」行きの無料の渡し船に乗って‎、10分程度のクルーズをきゃっきゃと楽しんでいると、このコンテナ学…

時の刻み方

マーストリヒトにある古い教会をリノベーションした書店。教会特有の雰囲気と書店特有の雰囲気が絶妙に調和していて、すごく豊かな気分になれる。3層になった書架にはたっぷり書籍があるし、奥にはカフェもあるし、一日中ここにいたくなる。日本語の本はなさ…

ブンカー美術館

今回のベルリン訪問の中で、最も感激したのがSAMMLUNG BOROSという2008年にできた現代アートの美術館。Bunkerというコンクリートの要塞?防空壕?トーチカ?をリノベーションしたもの。外壁の厚さはなんと1.8mという、なんともばかばかしい元軍事施設。最大…

復活した博物館

ベルリンの街はどこをどう見ても戦争の傷から逃れられないようになっている。そこに気がつくとどうしても気分が重たくなってしまうが、それを乗り越える強烈なパワーも同時に感じられるので、感情が激しく揺さぶられる。 2009年10月に70年ぶり再開した新博物…

トイレで食事

この鉄道高架下のハンバーガー屋さんの建物は、もともと公衆便所だったのだそうな。なんと大胆なコンバージョン。時間や空間が様々な形で交錯しているこの街は、幻惑を伴う驚嘆に満ちているね。 このような普通の観光旅行ではお目にかかれないマニアックな体…

ツォルフェアアインの多様性

エッセンのツォルフェアアイン炭鉱はかなり広い上に、様々なコンテンツが詰め込まれているので、しっかり満喫するには丸1日かかるよ。こちらの案内図(pdfファイル)を見ていただくとわかるように、大きく3つのエリアに分けられている。 メインは赤で示され…

熱い風を送る装置

ランドシャフトパークの高炉も頂上まで登ることができる。フェルクリンゲンではヘルメットをかぶることが求められて、それはそれで臨場感が出るうれしい体験だったのだが、ここではまったくノーチェックどころか、係員すらどこにもいない。なんてあけっぴろ…

親しまれる工場

ドイツのデュイスブルクにあるランドシャフトパーク(Das Otterhaus 【カワウソ舎】:ランドシャフトパーク)に行ってきた。先日訪れたフェルクリンゲンと同じように、閉鎖した製鉄所を保存・活用した有名な事例。この2つを今月立て続けに体験してきたので…

鋼鉄のカテドラル

1986年に操業を停止したフェルクリンゲン製鉄所は、しばらく廃墟となっていたのだが、様々な議論を重ねて1992年に保存することが決定した。そして、1994年に産業遺産としては初の世界遺産登録がなされた。現在も少しずつ補修の手を加えながら、工場マニアも…

多くの見どころが工事中

アムステルダム中央駅の立派な駅舎をじっくり拝見しようと思っていたのだけど、絶賛工事中のため全貌を拝むことができない状態だった。国立美術館も工事中。市立近代美術館も工事中。王宮も工事中。アムステルダムは工事好きにはたまらない街のようだね。

アムステルダムのゆがみ

アムステルダムの運河を散策したのだけど、なんだか落ち着かない。空気が微妙に揺らいでいると思って目を凝らしてみると、建物が本当にゆがんでた。それも1つや2つではない。街のあちこちの建物がゆがんでいるのだ。なんでなのかな。オランダの大工は適当…

赤い橋の保存

この八幡橋は先日のエントリでも少し触れたように、技術的にとても貴重なものだ。見た目にもそれが現れていて、見ていて飽きない。なにより、人道橋として現役ってのがすばらしいね。 しかし、大切に扱われているかというと、そうでもないような雰囲気がある…

リノベーションというけれど

鉄道高架下が本来の目的から離れて住宅や店舗などに利用されているいわば高架下建築は、建築と土木が予期せず接触し、その結果のひずみが何もなかったかのように表出されるという、とてもエキサイティングな物件だ。土木構造物のスーパースケールと、建築の…

補強中

かつしかハープ橋の下部工は、なかなか見事な造形をしている。綾瀬川の流芯方向に合わせた小判型断面の橋脚に逆さの円錐を組み合わせて、斜角のある桁を違和感なく乗せている。 その下部工では現在、工事が進められている。たぶん、耐震補強工事だと思う。一…