認識
オランダには、かっこいいのかかっこわるいのかわからないのに、妙に引かれるデザインがたくさんある。つまり、自分の中にある「ものさし」で図ることができない価値を、混乱とともに突きつけられるのだ。それを繰り返していくと、自分の中の「ものさし」が…
トンネルを通るとき、そこは「内部空間」であると認識すると思うけど、それは正しいのだろうか。「内部」があるということは、「外部」があるはずなので。むしろ大地の「外部」なんじゃないか。 なんてことを考えて、わけがわからなくなり、どうでもよくなる…
下関駅で見かけたトイレのサイン。もちろん間違ってはいないのだけど、そのスケール感覚はどうなんだろうか。山口県民あるいは長州人にとっては、通常の感覚なのかしら。
呉にある海上自衛隊呉史料館「てつのくじら館」には、実際に稼働していた潜水艦の「あきしお」が展示されている。日常生活の風景に、普段は水の中にいるはずの、しかもその全貌を見ることなどあり得ない異物が挿入されている。写真右側にはショッピングセン…
先日の札幌出張では少し早い便に搭乗して、かつて住んでいた琴似という街に行ってきた。時々行っていたスープカレー屋でランチをして、その後に琴似の街をぶらりと散歩した。ラーメン屋、焼き肉屋、居酒屋、喫茶店など、当時よく行っていた店舗がまだ営業し…
金沢の街中で見かけたママチャリで疾走するピクトさんと、その脇で横たわるピクトさん。 当然のことながら自転車用車線と歩行者用車線の表示であることは容易に理解できるのだが、自転車ピクトさんと歩行者ピクトさんを見る方向が異なっているので、一瞬戸惑…
新国立競技場の超豪華国際コンペで、イラク生まれイギリス在住の女流建築家であるザハ・ハディドの案が最優秀賞に選ばれた。ファイナリスト案を見て以来、個人的にはうっすら期待していたんだけど、「まさか!マジか!ホントに選びやがった!」と思った。審査…
最近、ガチガチに硬いはずのコンクリート製の消波ブロックが柔らかいものだと感じてしまうようになり、たいへん困っている。我が家のリビングに、大小7つの「テトぐるみ」が転がっているせいに違いない。あの形に対する自分の中のプロトタイプが、知らぬ間に…
ヴェネツィアの細い路地を歩いていると、視線を感じた。振り返ると、そこには石版でできた呼び鈴が。このようなレイアウトは、確実に人の顔に見えてしまうよね。一度そう思ってしまうと、ヴェネツィアはそんな人たちだらけなことに気付く(FBアルバム:ヴェ…
フランス東部の国境の街、ストラスブールの郊外にあるパークアンドライドのトラムターミナル。イラク出身の建築家ザハ・ハディドが設計したもの。絵心のない人が頑張ってつくったフォトモンタージュのように、画面左下の人と車のパースがおかしなことになっ…
先週の水曜日、自宅から歩いて10分程度の教会で行われた alva noto + ryuichi sakamoto "s" tour は、想像をはるかに超えてとんでもなく楽しかった。なんで坂本龍一はアムステルダムでもロッテルダムでもなくアイントホーフェンを選んだんだろうね。不思議だ…
高度に規格化されたコンテナには地域性など全くないと思っていたのだが、これは妙にオランダっぽく感じた。オレンジがベース色になっているからかな。コンテナの集合ってやっぱりかわいい。
念願かなって、ようやく欧州で工場鑑賞をしてきた。巨大な石油化学コンビナートが形成されているベルギーのアントワーペン、すごくいいところだね。ダイヤモンドとルーベンスとフランダースの犬だけじゃないよ。アイントホーフェンからは100km弱なので、これ…
Erasmusbrugの桁が上がっているときに橋面に行くと、空間がゆがんでいるように感じて、軽くトリップできるよ。これは、橋と川が斜めに交差していることにより床板の平面形状が平行四辺形になって、さらにそれが斜めに持ち上げられているから。このアーチ橋の…
ヨーロッパの観光地化された古い街並みを歩いていると、ふとディズニーランドとかのテーマパークに来ているような感覚に陥り、すべてが張りぼてに見える瞬間があるな。そこにはリアルな生活があるはずなのに。 自分の目が鍛えられていないことの証なんだろう…
ある有名建築家がデザインした二連のアーチ橋。恐竜の骨のごとく、鋼板が有機的な造形に加工されている。どことなくカラトラバっぽいが、よく見るとそうではないことがすぐわかる。 かつて、ある週刊誌がこのデザインを痛烈に批判した。そして、その記事が名…
東京港臨海大橋(仮称)の名称をこちらのページで募集している。かっこいい橋にふさわしい、かっこいい名前になるといいね。 個人的には仮称のままでもいいのだけど、何らかの意思表示を主催者側に伝えておきたい。そこで、良識あるみなさまの考える名称をう…
父親の仕事の都合で、幼年期に長野県松本市で過ごしていたことがある。数年前に松本を訪れたついでに、30年以上前のかすかな記憶を頼りに市内を散策してみた。 行く前は色あせた断片的なシーンしか思い出せなかったのだが、現地に行ってみると“かつて自分…
夜のジャンクションで長時間露光を行うと、肉眼では見えない線形が見えてくる。なかなかのファンタジー。
縁があって、また四日市を訪れている。今回もコンビナートのいろんな表情を見ることができて、かなり楽しい。工場の夜景を撮る時間も得て、さらにテンションが上がった。なにしろ、写真は肉眼では見えないものが見えるものね。この不思議な感覚は工場の写真…
横浜に行ったついでに、川崎に立ち寄った。昼の工場に比べて、夜の工場はきれいだと感じる人は多いように思う。雪と同じように、汚いものを隠すからなのかねえ。いや僕は昼も好きだよ。
先月京都に行った時、琵琶湖疏水の水路やインクラインや記念館などを、じっくり時間をかけて散策してきた。知識としては少しあったのだけど、実物を見て触れると理解が進むね。明治の人々の偉大な仕事を感じることができて、ほんとによかった。 その道中、随…
鉄塔と送電線は空を引き立てるための名脇役なのだ、と言い切られた。 なるほど、自分はこれまで送電鉄塔を主対象として凝視し、空は背景として切り捨てて見ていた。 それが、主役は空で、それに奥行とかスケール感を与える補助をするのが送電鉄塔だと。 送電…
東京タワーにはブームがあったけど、京都タワーにもあるのかな。ゆるキャラのたわわちゃんとかいるから、ありそうなもんだけど。
化粧型枠による石積み風のコンクリート壁面。フォトショップでコピペしたような同じパターンの繰り返しは、人工感を揺るぎないものにしているんじゃないか。
ちゃんとした門をくぐるときには緊張や高揚を感じることがあるけど、船に乗って水門をくぐる体験は格別だよ。 巨大な鉄の平面は、その圧倒的な質量で通る者を静かに威嚇してくる。非常時にはギロチンのように水路を遮断し、とんでもない水圧に耐えて街を守っ…
住宅都市整理公団の大山さんが企画した大橋ジャンクション見学ツアーに参加させていただいた。大橋ジャンクションとは、現在建設中の画期的なジャンクション。狭い土地の制約の中で、地上の高架橋と地下のトンネルを結ぶジャンクションのため、かなり無茶を…
この橋の桁裏を見上げてみた様子。とても洗練された造形になっている。 個人的には、部材が連続している様や、それが微妙に変化する様はとても好きだったりする。きれいだよね、淡々と繰り返されているものって。 これは音楽にも通じていて、リフレインが延…
今にもパイプに浸食されそうな建物に見える。あるいは、建物の内臓がむき出しになっているようにも見える。しかし、そもそもこれは建物ではない。なにかの巨大な装置なのだ。 普段われわれが持っている常識の範疇から、このスケールの物体はついつい建物と認…
僕は高いところが大好きである。高層ビルや展望施設などに行くと、同伴者が恥ずかしくなるくらい外を眺めるのに夢中になるらしい。もちろん僕だけでなく、高いところが好きな人はたくさんいるはずだ。はしゃいでいる人も多く見かけるし、はしゃぎたい衝動を…