はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

直交の街

現地調査時にはいつも、じっくり地図を見る。地図を見ながら風景を想像する。土地の利用や道路の形状で、なんとなく雰囲気がつかめるものだ。しかし、それがうまくいかない場合もある。

サンフランシスコ周辺を広域的に見ると、その海岸線の形状から、いかにも起伏が多い地形であることが予想できる。それに、写真や映画などで、サンフランシスコは坂道が多いという予備知識もあった。しかし、市街地図を見ると、道路が格子状に構成されている。しかも、全域にわたって。このことは、平坦地を暗喩している。これらのことが重なって、大きな違和感が生じていた。

そして、実際にサンフランシスコを訪れたとき、街の様子に絶句した。地形を完全に無視した都市計画。写真のような風景が、街のいたるところにあるのだ。さすが、アメリカである。