はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ヌード・ボックス

あまりにも唐突である。平坦地にわけのわからんコンクリートの塊が置かれているのである。その幾何学的形態は、なんとも言いようのない異様さを放っている。

これは函渠、もしくは、ボックスカルバートと呼ばれる道路構造物である。この上に土が盛られ、路盤が構築され、ようやく横断通路としての役目を果たすのである。

道路整備の事業はえらくお金がかかるので、多年度にわたる予算を組む。そのため、一連の構造物を順番につくって、土工は後からまとめてやるというスケジュールになることも多い。

彼は何年もこんな状態でほったらかしにされ、風雨にさらされ、人目にさらされる。放置プレイでもあり、羞恥プレイでもある。そっち方面の趣味がなければ、イヤだろうなぁ。