鉄道高架下が本来の目的から離れて住宅や店舗などに利用されているいわば高架下建築は、建築と土木が予期せず接触し、その結果のひずみが何もなかったかのように表出されるという、とてもエキサイティングな物件だ。土木構造物のスーパースケールと、建築のヒューマンスケールとの対決は、いつもドキドキしながら鑑賞してしまう。
中央線のレンガアーチはとても素性がよく、店子がちょっとやそっとはじけても、大きな包容力で飲み込みなんとなくまとまりのある雰囲気が生み出されている。メインの看板の取り付け、電纜のパイプのぶっきさぼうさ、すべての関係を無視した垂れ幕などについて、もう少しレンガアーチに敬意を払う店舗デザインがなされれば、ぐっと良くなると思う。
ちゃんとリノベーションするんだったら、もとの構造物がなんであるかが理解できる人を担当者にすべきだよね。