はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

蛇の橋

縦断や横断が大きく変化する橋梁は、施工がとても難しいと聞く。この橋をつくった施工者の方々のご苦労を称えたい。しかし、そんな感情もねじれた形になってしまう。

こんな大胆な線形の橋は、そうそうお目にかかれない。ものごとの本質を見失ない、エンジニアリングを駆使する方向を履き違えてしまったようにしか思えない。それ以前に、最初に踏み込む命題の設定がずれていたのだろう。そして、いろんなしがらみが蓄積していった結果、妙なものが出来上がったのだろう。途中でまずいと思った人もいただろうに、残念でならない。

でも、実際にこの高架橋を走行してみると、結構楽しかったりする。ジェットコースターみたいで。なにかに振り回されたいという依存願望ってのが、人の心には深く根ざしているのかもしれない。もちろん、そんなアミューズメントを道路に反映する必然性は皆無だよね。そもそも危ないし。