はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

運ばれる塔


1年ほど前に鹿島港にある展望台から、めったにお目にかかれないものを目撃して大興奮した。精留塔のパーツが台船で海上輸送される状況を拝むことができたのだ。
その姿は、赤い錆止めが施されていた。検査路足場を設置するのであろうブラケットがたくさん付いていた。本来縦になるものを横に見ると、やたらとでかく見えることが判明した。様々な製造メーカーが拡大する需要に対応するため、どんどん設備投資を増やしているという報道を、生々しい姿によって確認できた。
たぶん、このときに見た蒸留塔がコレ。たぶん、現地で組み上げた後に配管を施し、断熱材と外装材を周囲に巻き、検査路や照明器具などの添架物を付けて、ようやく完成に至ったのだろう。
そんな想像が膨らむビフォー・アフターを見ることができて、かなりうれしい。これらがエイジングしながら馴染んでいく様を、年に一度は観察しに行きたい。