はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

デコな塔


ピッツバーグで見かけた吊橋。1926年に建設されたことが銘板に記されていた。かつてこの街が製鉄で栄えていた頃につくられた物件だと思う。
その主塔の造形は、アールデコの匂いがプンプンする。梁部は単に2本の柱を結びつけるのではなく、放物線と直線によって構成された細かい装飾が施されている。そうして、石造りの建築物のような雰囲気を身にまとっている。
構造面では無駄な部分があるし、鋼の造形にふさわしいとは思えないけど、造形的な操作はなかなか上手で、結構グッときた。造形の方向性が明快、かつ、仕事が丁寧なものは、その様式に関係なく好感が持てる。というか、そうしたものは結果的に時代背景や地域なんかを象徴するものになるんじゃないかな。