はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

音楽的室外機

上海の見所のひとつに、建物の外壁に取り付けられた空調の室外機があるわけだが、今回の旅でも街に出るたびに鑑賞している。ランダムに生えていて建物の外観を台無しにしているものもすてきなんだけど、整列していることで表層に新たなレイヤーを生み出しているものもなかなか見応えがある。
この建物は、その中でもかなり秀逸な作品だ。縦のスリットによってタイトな雰囲気が生まれ、室外機が小刻みにリズムを刻んでいる。ときどき欠けがあったりして、完全な整列でないところに、さりげないグルーヴを感じる。上質なテクノを聴いているのと同じ感じだね。