はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

黄金の大玉

台湾で台北101という超高層ビルに登ってきた。その高さは500mを超える。7つ積み重ねれば、おおよそ富士山の高さになる。そんだけ高けりゃ、ちょっと風が吹いただけでもゆんらゆんらと揺れるわな。
その対策は、いたってシンプル。ビルの頂上付近に「おもり」をぶら下げるのだ。ビルが横に移動すると、「おもり」は慣性の法則に従って元の位置に留まろうとする。つまり、反対方向の力を生み出して、動きを相殺しようとするのだ。
原理的にシンプルなだけに、その「おもり」はとんでもなくでかい。40枚以上の鋼板を積層して660tの重量を生み出し、5階層分をぶち抜いて吊り下げられた巨大な鉄球の様子は、まるでSF映画のワンシーンだ。金色に塗装されているその姿は、ご神体のようだった。
ハイテクを駆使したローテクは、グッとくる。直感的に理解できるものは、迫力があるね。