はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

新技術のカタチ


東京港臨海大橋の中央防波堤側架設のとき、桁と橋脚の接点である支承の高さがやけに低いことが気になった。あれだけの荷重を支える箇所なので、とんでもなくでかい積層ゴムの支承を想像していたので。
富津の浜出しのとき、まじまじと支承部分を眺めてみると、見たことがないツルツルの平面があった。その隣には、これまた見たことがないレゴのブロックみたいな円柱のボツボツが。謎は深まるばかり。
そこで現場にいた国交省の方に勇気を出して尋ねたところ、「機能分離すべり型免震支承」という新技術について明快に解説してくださった。なんとすてきなサービス精神。なんとすてきな名称。これだからドボクはいいね。
理解した範囲で支承の構造を説明してみると、写真右の平板は鉛直方向の荷重を受け持って、写真左のレゴブロックみたいなバッファが水平方向の荷重を受け持つというように、支承にかかる力を2つの部位に分離するようになっているという。ツルツル部分はアルミでつくられていて、地震などの水平方向の力が加わったときにずずっとすべるのだそうな。ちなみに一般的には、鉛のプラグが入った積層ゴムの物体で双方の力を受け持って、水平方向の力が加わったらそれが変形する構造ってのが普通。この新技術を採用したことで、支承システムを大幅に小型化することができたというわけ。
技術ってすごいね。見えないところでがんばってるんだね。