はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

薄れゆく記憶


東京メトロ銀座線の神田駅に直結している神田須田町地下鉄ストア。なんと、1931年(昭和6年)に開業した、日本で最も古い地下街である。戦前に地下街がつくられて、しかも現存しているってのはちょっとすごい。
長い歴史の流れの中で、この空間にもいろんなことがあったようだ。様々な時代の要素が、この狭い空間に刻まれている。かなり低い天井高、リベットで接合された柱や梁、年代が異なる数種類のタイル、後付けの様々なダクト類、年代を感じる吊り下げ看板やトタンの間仕切り、そして現在閉鎖中の出入口。
案内板にはテーラー、靴屋、理容室、美容室の4店舗が営業しているとあったが、昨日は理容室しか空いてなかった。ちなみに、最盛期には20店舗以上もあったらしい。昔の活気を見てみたい。
家主であろう東京メトロは、ただ黙って店子がいなくなるのを待っているのだろうか。そうなんだろうね、おそらく。今のうちにちゃんと見ておいた方がいいよ。