はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

コンテナターミナルの内側


僕らの生活は諸外国とのもののやりとりがあって初めて成り立つというのに、その途中段階のことはあまり知られていない。世界の物流はコンテナという高度に単純化された規格によって支配されているなんて、なかなか実感できないものだよね。
コンテナってのは、船とトレーラーによる海陸一貫輸送を行うことができ、荷物の載せ替えの手間が省けて、梱包も簡素化でき、ただ積み上げるだけで搭載や保管ができて、破損や盗難のリスクも少なく、箱は丈夫で長持ちという画期的なシステム。そのあまりの簡単さ便利さに世界中にネットワークが張り巡らされているけど、運用されはじめたのはおよそ50年前と案外最近のこと。港の設備が機械化されたことで、飛躍的に普及したのだそうな。
数年前から物流の眺めに興味を持っていたのだが、最近知り合った港湾関係の方からお誘いいただき、ついに先週、コンテナターミナルの中に入って荷役の現場を見学する機会を得た。ターミナルはちょっとした外国なのでセキュリティレベルが高く、これまではかなり遠くから眺めることしかできなかっただけに、激レアな体験となった。
でかい鉄の箱がひょいひょいとすごいスピードで持ち上げられ、積み上げられ、運ばれていく様は圧巻だった。そこに登場する巨大な機械たちは、自動化されている部分もあるらしいけど、基本的にはオペレーターの方々が操作している。いやほんとにすばらしいよ、ジャストの位置に合わせる繊細な技術やぴったり息の合ったチームワークは。もちろんどのコンテナをどこに動かすかという指示はコントロールルームで集中管理されている。この膨大な量のブロックパズルを解くのはコンピューターを使っているが、経験に基づく人の勘がベースになっているとのこと。やっぱり究極は人なんだね。
見学の様子は同行した大山さんの記事を参照していただきたい。現地での僕らの興奮っぷりが伝わる文章がすてきな写真とともに綴られているよ。
デイリーポータルZ:キリンの真下から見上げる!

【追記】四日市を訪問した理由はコンテナターミナル見学のほかにもいくつかあって、その日の夜に行われた別のプロジェクトの様子が新聞記事になってた。参考までにどうぞ。
読売新聞:四日市のコンビナート夜景、新たな観光資源で脚光