はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ツボな映像


5年ほど前、フォトグラファーでライターで住宅都市整理公団総裁である大山さんにエドワード・バーティンスキーというカナダ人写真家の存在を教えてもらい、写真集を購入した。かなり衝撃的な写真だらけで、すっかりしびれた。ドボク的風景が気になるという方はチェックしておく必要がある。こちらの公式サイトに作品が大量に掲載されているので、じっくりご覧いただきたい。
しかしファンであるはずの僕はなぜか「CHINA」という写真集には手を出していなかった。それどころかその写真集のドキュメンタリー映画「Manufactured Landscapes(邦題:いま ここにある風景)」の上映も見逃してしまった。都市クルーズなどでいつもお世話になっているBPAの山崎さんが2008年に書かれた素敵なレビューや、いまも残っている映画の公式サイトを見て、いまさらながら猛烈に反省した。そこで早速アマゾンでDVDを発注し、先ほど見終えた。
製品の製造に関わる生々しい風景には、本来「美」などと言う人為的な価値観など一切介入していないはずなのだが、善悪二元論を排した冷静なまなざしによって捉えたシークエンスは、ため息が出るほど神々しい。写真集とはまた違う趣がある。世界の工場の実像、環境の改変、世界規模のリサイクル、急速な都市化、拡大する格差などなど、社会問題を取り上げた映画だと見ることももちろんできるし、制作サイドもそうした意識が強いのだろうけど、ここはあえて映像美だけに注目したほうが、感情がより震えると思う。バーティンスキー本人は矛盾だらけの産業の眺めが好きで好きでたまらないのだろうし。山崎さんもおっしゃっていたが、オープニングはまじやばい。必見だよ。とりあえずトレイラーを貼っておくので見てね。



Manufactured Landscapes [DVD] [Import]

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Burtynsky - China: The Photographs of Edward Burtynsky

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