はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

東京は千葉でできている


僕が住んでいる千葉県は、東京ディズニーランドや東京ドイツ村があったりと、東京に媚びた卑屈さがあるように見える。しかし東京という大都市は、主に千葉でできているのだ。という事実をつい最近知った。どうやら千葉県民はこの事実をもう少し認識した方がよさそうだ。プライドを感じるにせよ、搾取されていると感じるにせよ、あらためて千葉の闇の部分を感じるにせよ。
どういうことかというと、首都圏におけるコンクリートの骨材や埋立地の材料に用いられる山砂利の大半が、富津から市原にかけての丘陵地を切り崩して生み出されたものなのだ。全国的に見ても、千葉県の山砂利産出量はダントツの日本一。高度経済成長とともに無秩序に開発され、最近の出荷量は縮小傾向にあるが、すでに存在自体が消えてしまった山もあるらしい。グーグルマップで見てみると、この地域の土地は虫食い状に切り刻まれていることがわかるよ。同時にゴルフ場の多さにもびっくりするけどね。
実際に現地を訪れてみると、ドイツの露天掘り炭鉱ほどのスケールではないが、想像以上にすごい風景が広がっていて大興奮する。身近なところにこんなダイナミックな人工景観があるのに今まで知らなかったことは、素直に反省しなければね。


参考:産総研地質調査総合センター・地質ニュース「房総半島の山砂利資源 -開発と環境を見つめる-(pdf)」、中国新聞「発展の代償 細る山