はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

忘却のTGV


先日のネコ鉄塔群を見た翌日にも、全くの偶然でかなりの好物件を見かけていたにも関わらず、そのことをすっかり忘れていた。欧州滞在時において、最もせわしなく移動を重ねて、とんでもない物件数を一気に見て廻ったスイスツアー(たとえば、スイス橋梁巡礼スイスダム巡礼アルプスの少女高級健康ランドなど)の出だしだったためであろう。しかも未完成の物件であったために、グーグルマップにも載っておらず、構造物や場所の特定が困難だったということもあろう。ただの言い訳だけど。
ということでこのたび、微妙な記憶をつなぎ合わせて検索しまくり、なんとか物件を特定することができた。橋の名前はSavoureuse Viaductで、TGVの新線の高架橋のようだ(Structuraeのページ)。花弁のように四方向に開いている巧みな造形の橋脚は、スチールとコンクリートのハイブリッドのように思う。桁は鋼床版を橋軸直角方向に多数配置された梁で受けているようなつくりであり、なんだかよくわからないが、シンプルな外観に仕上がっている。
やはり「調べる」という行為をおろそかにしてしまうと、後で困る羽目になる。忘却という最悪の事態を引き起こす前に、各種サルベージ作業を進めなければ。