はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

パリの日本橋


海外に行く際に、見どころを人に尋ねるのは、ごく自然な行動だと思う。そうやって人様に尋ねられると、こちらもよろこんで教えようとするのだけど、時々ハッと我に返ることがある。僕が紹介するラインナップは本当に楽しんでもらえるのだろうか、いくら何でもニッチを攻めすぎているんじゃないか、そもそもその人にふさわしい見どころが他にあるんじゃないか、と。
特にパリはガイドブック的な見どころだけでも半年くらいはかかりそうな観光都市なので、紹介するのに躊躇してしまう。その代表が新凱旋門のある「ラ・デファンス」。せっかく歴史と伝統に彩られた「華の都」に来ているのに、なんでいかにも現代的な都市を見物しなきゃならんのだ、ってなるよね。僕もそう思う。そう思うんだけど、ちょいちょい素敵な物件があるんだよね(たとえば「魔法の橋」)、困ったことに。
この橋もそう。名前は「ジャパン・ブリッジ」といい、設計はあの黒川紀章。ガラス張りのビル同士をつなぐバスケットハンドルの赤いタイドアーチは、なかなかかっこいいよ。ちなみに、この橋をググったついでに構造設計がピーター・ライスのRFRであることを知り、急いでフェイスブックのアルバム(Peter Rice (RFR Ingénieurs))に情報を追加しておいた。いまさらで恐縮だけど。