3年前のオランダ在住時に、うっかり見に行き忘れてしまった重要施設があり、そのことが夜も眠れないほどに悔しかったので、今年のお正月に行ってきた。ロッテルダムの西方にある「ローゼンブルク・ウインド・ウォール」だ。かつて鹿島出版会から発刊されていた雑誌「SD」にて、「テクノスケープ テクノロジーの風景」という伝説の特集(南洋堂ウェブショップより)が1995年にあり、そこに取り上げられていたことを帰国直後に思い出して、地団駄を踏みまくったのだ。
このずらりと並ぶ半円筒コンクリートは、ユーロポートの一部をなす(たぶん)カーランド運河を通行する船舶を、オランダ特有の強風から守る施設である。概要や位置や各種写真はこちらの記事(Google Sightseeing)に示されているよ。ロッテルダム方面に行くことがあれば、ぜひともついでに訪問していただきたい。
こんなんで本当に効果あるの?と疑問に思うが、上記記事には風の影響は75%カットされるようなことが書かれている。何でここだけに?とも疑問に思うが、近接する可動橋のカーランド橋と関連がありそうなことは、現地を見ると感じられる。まあそれにしても本当にコストバランスに優れている施設ならば、他のエリアでもたくさんつくられていてもおかしくないと思うけど。
とにかく、この異様さとクールさはすさまじい。こんな風景はなかなか体験できないよ。アーティストをプロジェクトに加えていたようなので、これほどオリジナリティや強度や質感が確保されている景観が実現したんだろうね。これもダッチデザインの神髄だな。