オランダには、かっこいいのかかっこわるいのかわからないのに、妙に引かれるデザインがたくさんある。つまり、自分の中にある「ものさし」で図ることができない価値を、混乱とともに突きつけられるのだ。それを繰り返していくと、自分の中の「ものさし」が多次元的に補強されていくことが実感できるんだよね。そうした刺激がやみつきになってダッチデザインファンになった僕は、「バカっぽい」という言葉で刺激を誘発するデザインを表現することが多い。(例えば、ランドアート防風板、クレーンに泊まる、毒虫の部屋、中くらい、ひねり技など)
これまでオランダの「バカっぽい」構造物や建築物をたくさん見て廻り、それぞれをたっぷり愛でてきた。しかし、中には「もしかして本当にバカなんじゃないか?」というものも存在している。つまり、その方向に自分の「ものさし」が補強されることを拒否する案件である。(例えば、看板建築の集大成、ホワイトアスパラなど)
そのひとつがアムステルダムの北にあるPurmerendという街にある、可動橋なのに常時通行ができるという「Melkwegbrug」という歩道橋。大胆な計画を、丁寧なディテールで実現したものなのに、どうしても受け入れることができないのだ。見る角度を選ばせるアーチのプロポーションの不味さが、拒否反応のポイントなのかなあ。何度も写真を見返しても、やはり愛せないんだよなあ。
こちらのサイトに詳細情報があるので、参照されたし。もしかするとすてきかも?と思わせる、きれいな写真がたくさんあるよ。
arch daily : Melkwegbrug / NEXT Architects