はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

脅威の薄さ

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昨年の年始のオランダ旅行の際には、ズウォレという街にローラン・ネイが設計したできたばかりの歩道橋「Rodetorenbrug」を見に行った。ネイ事務所のサイトの写真を見ても、その薄さというか軽さというか儚さがCGとしか思えず、実際に見て確かめなければと思ったのだ。

そして、高欄の手すりよりも薄い20mmの床版、2つの交錯するリボンのように流麗な60mmのアーチ、それらが極めて繊細なトラスで接続されている様子を目の前で目撃した。ところが、なかなか「橋」である現実を受け入れられなかった。

自分自身が渡ることでその存在を確認し、揺れなどをチェックしたかったわけだが、なんと閉鎖されていて渡ることができなかった。どおりで人の気配がないわけだ。現地での説明は特なく、ロンドンのミレニアムブリッジやパリのレオポール・セダール・サンゴール橋のように、人の歩行や風による振動の問題が生じてしまったのか?いまどきそんな設計はまずいんじゃないの?なんて八つ当たり的に思った。というか、残念さと悔しさでいっぱいだった。

帰国後にネットニュースを漁ってみると、温度変化による伸縮のためにねじれが生じて閉鎖に至ったらしいことがわかった。この問題が解消したらブログにアップしようと思っていたのだが、なんと昨年6月に再開通したとのこと(Gemeente Zwolle : Rodetorenbrug open voor fietsers)。すっかり忘れていて今になっちゃった。どうやら新たにジョイントを設置して伸縮量を吸収するようにしたようなのだけど、どなたか現地に行ってレポートしてくださらないかなあ。