はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

巨大ちくわ

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キューブ・ハウスなどの少々イカレたダッチ建築が密集するロッテルダム・ブラーク駅に、新たなびっくり建築が加わった。高さ40m、幅71m、長さ114mもの巨大な半身の「ちくわ」である「マルクトハル・ロッテルダム」だ。昨年のお正月に行ったときにはまだ完成していなかったので、今回の旅でどうしても見ておきたかったんだよね。

やや偏平したちくわ内部にはおよそ100件の食料品売り場が軒を連ね、かまぼこ部分は200件以上の集合住宅になっている。下の二階層はレストランなどだ。ちくわ内壁のアルミ板には、色鮮やかな印刷で花や食品が描かれている。なんというか、ダッチ方面に洗練された「ショッピング・モール」ってところか、それとも本来の意味での「スーパー・マーケット」なのか。オランダからの回答って、いつも面白いな。

実際に現場に行っても、この存在感は尋常ではないよ。形態や色彩のインパクトがものすごいんだもの。現地に行く前には、これってやり過ぎちゃったに違いないよなあ、実際はどうなんだろうなあと強い疑念を持っていたんだけど、突き抜けたコンセプトが素直に体現された、とても居心地のいい空間だったな。

実際に体験しないと理解できないことって世の中にはとても多いけど、ダッチデザインの場合は高確率でそんな事例に出くわすね。夜は2階のデッキで食事をしたんだけど、両側の住宅の部屋の中がチラチラ見えた。この不思議な世界に、ほほがゆるみっぱなしだったな。