自分が一番好きなダムってなんだろうか。まあ一番なんて決められないよね、みんなそれぞれ好きだもの。とは言え、僕の場合は若干の傾向はある。膨大な水圧に対して圧倒的なボリュームで対抗するものよりも、使用する材料を最小化しつつ構造で対抗するものが好きな気がする。例えば、アーチやバットレスは鉄板と言ってもよい。コンクリートだけど。
本日はじめて島根鳥取(訂正:すんません、まじで間違えました)を訪れたわけだが、砂丘には目もくれず、いきなり深い山の中に入り込んだ。「三滝ダム」と「恩原ダム」という2つのバットレスダムを一気に訪問してきたのだ。恩原ダムに至っては、勢い余って島根鳥取県を飛び出して岡山県に入ってしまったことに、あとから気付いた。
バットレスというのは、水圧がかかる上流面にコンクリートの板を斜めに配置し、それを格子状に組んだ柱と梁で支えるというもの。コンクリートのボリュームは少なく済むけど、つくるのに手間がかかるのですっかり廃れてしまった構造形式だ。日本に現存しているのは6つしかないらしい。今日一日で、日本の3分の1を制覇したことになる。僕が大好きな函館の笹流ダムも、そのうちのひとつ。
バットレスらしさにあふれる下流面から鑑賞しかったのだが、どちらのダムも下流側に立ち入ることができず、少々フラストレーションがたまる結果となってしまった。特に恩原ダムはチラ見することもかなわず。さらに、どちらも厚い雲がかかる山奥だったので、ずっと霧雨が降っていた。上の写真は、ギリギリ見ることができた三滝ダムの姿。足下が悪く、これ以上近寄ることはできなかった。
まあ挽回のチャンスはあると思うので、明日のイベントが終わり次第、別の対象物で巻き返そうかね。