はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

韓国の秘密基地

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3年ほど前、韓国の光陽市と麗水市を結ぶ吊橋・イスンシン大橋(デザインによる技術発展)を、そのデザインに携わった日本人チームの一員としてたっぷり見学させていただいた。主塔や橋面に登らせてもらったり、これでもかと言うほどのレア体験を味わうことができた。いまさらの自慢話で誠に恐縮だが。

その中でも、メインケーブルを定着する「アンカレイジ」という施設の地下30mにある地下空間がステキすぎて興奮しすぎた。イスンシン大橋の南側アンカレイジは、見かけ上とてもコンパクトなんだけど、それは地下にアンカーを取る「岩着型」だからである。真の定着部は地中深くに隠されているのだ。

一般的なトンネルとは全く異なり、掘りやすいように掘った荒々しい空間が形成されている。その中にアンカーががっちり定着されているマッシブなコンクリート塊があり、素晴らしいコントラストが生まれている。もうたまらん、なにこの秘密基地感。ここを仕事場にしたいくらいだね。

そうそう、いま思い出した。なんでアンカーの位置がランダムなの?と訪ねてみたら、だって地盤の地質は一様じゃないじゃん、TBM(トンネル・ボーリング・マシン)も真っ直ぐ進まないんだよ、これでもうまくいった方だと思うよ、と教えてくれた。なるほど。