あのザハ・ハディドが急逝した。65歳という若さ、押し出しの強い風貌、ザハ建築が世界中でじゃんじゃん建設されている状況なので、まったく想像していなかっただけに、絶句した。そして、残念でならない。
ローマの国立21世紀美術館(MAXXI)では、エントランスにこの建物の様々な要素が凝縮されていた。流れるようなラインで構成された黒い通路の導線、それらが立体的に複雑に絡み合う空間配置、そしてザハ節ががっつり効いている未来的な白いカウンターや照明。もちろん展示エリアも導線や空間構成やディテールなど、展示物をそっちのけで感激できるポイントがたくさんあったが、残念ながら撮影禁止だった。
何年か前、日本でザハ建築を体験できる!と心躍ったこともあったが、逆に日本の底知れぬ幼稚さが様々な場面で露見し、誰もハッピーにならない事態に陥った。あの件を水に流してはいけないし、そもそも現在進行中だし、でもとっくに直視できていないし、なんて思いつつ、同じ国民としてどうすればいいのか結局よくわかっていない。コントだったら面白くなるのかなあ。