コンテナ好きとしては、チューリッヒに行くならどうしても立ち寄らねばならない重要な場所がある。それは、トラックの幌をリサイクルしたバッグで有名なブランド「フライターグ」の旗艦店。全部で19個の中古コンテナを用い、4層までは店舗、階段部は9層まで積み上げて最上部を展望スペースにしている。
この店舗があるエリアは、チューリッヒ中心市街地の北西側に広がる工業地帯。現在は再開発が順次進められている。工場や高架橋など既存の施設を上手に活用しながら、新しい価値を生み出している事例も数多い。周辺を少し散策しただけでも、ざくざく面白い物件に出会って、手に負えなくなるほどだ。
コンテナという建築材料も、基本的に積むだけという構築方法も、再開発エリアという立地環境も、素材を活かしながら別の価値を吹き込むというフライターグの商品コンセプトにぴったり重なっている。そんな事実に直面してしまうと、手元にその証拠を引き寄せたくなる。ええ、僕もテンション上がって予定外の散財をしましたよ。