建築空間において、階段はたいへん魅力的な存在だよねえ。表情豊かな造形という点でも、移動による視点の変化でも、昇降するという意味においても。もちろん、建築家はそれを強く意識しながら、腕の見せ所と言わんばかりに力が入りまくるのだろう。チューリッヒ湖畔の公園に佇むコルビュジエ・センターの階段も強烈にステキだった。階段が中央に鎮座し、眺めても良し、歩いても良しという気合いの入りっぷり。
昨年の夏にこの建物を訪問した際、少々しくじった。オープンの時間よりもずいぶん早く行ってしまったために出直さざるを得なかったり、チューリッヒカードで入ろうとしたら適用外施設だったり。個人的に鉄筋コンクリート造のイメージが強いコルビュジエなのに、遺作となるこの建物ではスチールが用いられていることにも面くらった。しっかり調べてから行くべきだな、自分。
ステキな階段もさることながら、透明感や解放感に溢れる実際の空間も素晴らしかったし、忍者屋敷のような扉の開き方も楽しかったし、自然光がうまいこと採り入れられている地下での写真展もほっこりしたし、屋根を溶接で構築した後に各種パーツをボルトで組み立ててつくったらしい製作方法も楽しめるし。またチューリッヒに行くことがあれば、再訪したいな。