はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

初セスナ

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ある雑誌の原稿を書いた流れで、航空写真の撮影に同行させていただいた。なんと、4人乗りのセスナ機の助手席に。助手席と呼ぶのかは知らないけど。役得ってこういうことなんだね、30分間のフライトをみっちり楽しんじゃった。

晴天に恵まれて撮影はバッチリだったが、やや風が強かったので上下左右に激しく揺さぶられた。これまでの人生で、経験したことがない挙動と言ってもいいだろう。上空にいるときは大興奮状態だったのであまり感じなかったが、着陸後に一度椅子に座ってしまうと、脳や内臓が慣性を感じているのか、自分の体が固定されたことでフラフラした感覚が襲ってきた。事前にたっぷり脅されていたので多少は覚悟はしていたものの、侮れないもんだ。

今回ご一緒させていただいた写真家は、セスナ機での撮影に慣れているとのことだったが、やはり着陸後はぐったりされていた。車の運転は大丈夫ですかと尋ねたところ、「車なんて所詮、二次元の動きでしかない」という、妙にかっこいい一言をいただいた。これには僕も実体験を通じて深く同意するとともに、紅の豚の名ゼリフを理解できた気になった。たぶん間違ってるけど。