はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

プレキャスト城

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岡山県津山市に宿泊した昨日の早朝、津山城郭の一端にある「津山文化センター」までお散歩してきた。アクの強いこの建物が街中にあったらギョッとするだろうけど、街を見下ろすロケーションにはとてもふさわしいと思ったな。

四面すべてを構成しているプレキャスト・コンクリートのパーツを駆使した張り出しはたいへん感動的だ。どうやら寺社建築に見られる「斗栱(ときょう)」が元ネタらしい。周囲の石垣に負けない造形の荒々しさや繰り返しによる迫力には圧倒されるけど、面取りによって生まれている柔らかさが程よくブレンドされているので、なんとも心地よかった。

川島甲士の設計により1962年につくられたこの建物は、どうやら来年4月から耐震補強工事のためにしばらく休館するようだ。今回のチャンスに内部も見学したかったけど、涙をこらえながら仕事に向かった。そういえば、土木界隈では「PC」と言えばプレストレスト・コンクリートだと思うのだが、建築界隈ではプレキャスト・コンクリートなんだね。いくつかのネット情報を見ていて、あらためて気になったな。

参考:津山文化振興財団ウェブサイト